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ツォナ・エイの日記 パート3

パート3

他の船が後をついて霧から出てきた。1隻ずつ姿を現した。ぼろぼろの船もあれば、見当たらない船もあったが、多くが残っていた。整列して、本島に向かって航行した。

途中で苦しまされたひどい嵐の中で、船長は断固たる姿勢を貫いた。船員の中には航路変更を希望する者もいたが、船長はそうした者をののしって聞く耳を持たなかった。船長室は自分の部屋の真上にあって、誓って言うが、夜になると悪魔のような囁きが聞こえて不気味な光が見えた。かつての船長は霧の中に消え去り、怒りと憎しみの亡霊に取って代わった。

オロ男爵提督の姿が、甲板の上に映し出された。こちらが見えないかのように話していたので、船隊へ向けた魔法を使った放送みたいなものだったのだろう。ボートと人員を出して大きな島を侵略し、陸上から塔を包囲するよう命じられた。その間に残りの帝国の船は、遠距離から攻撃するとのことだった。剣と弓で武装すると、船長から長艇に乗り込むよう命じられた。

岸に降りると、自分達が一番乗りだったようだ。後からさらに到着してきた。スロードは死霊術師としては強力だが、至近距離での戦いでは弱く、こちらの数は相手を圧倒していた。それでも連中は戦い、こちらが島を制していく過程で死んでいった。金や物品や命を奪われながら、その死に際にはデイドラの主へ呪いの言葉をささやいていた。

珊瑚色の塔の頂上に見えた青い光は脈を打ち始め、曇った空にエネルギーを流していた。足元の地面が激しく揺れだすと、誰も逃げろなどと言う必要はなかった。ひびが入った島は沈み始めた。命懸けでゴールデンエラ号へ向かって漕いでいく中、スラスの周囲の海は沸き立っていた。

甲板に引き上げられるとすぐ、珊瑚の塔が海の中へ崩れ落ちるのを目にした。船をそこへ引き寄せる流れに気付いた時には手遅れだった。塔の頂上にあった青い光の中心が海に沈むと、大きな車輪のように回転し始め、それが波に当たると巨大な渦巻きを起こした。船隊の半分はその中に引きずり込まれ、この船もその内の1隻だった。

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