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書籍

失われた恋の靴

失われた恋の靴、一幕劇
- 遺物マスターグレナディルによる複写

語り手: 昔、良家のエルフが2人いた。小さい頃から縁談がまとめられ、成長すると結婚式が計画された。

ノルディンウェ: ああ、素晴らしい結婚式の日が待ちきれない!

語り手: しかし若いクアーネルはためらった。結婚は愛する人としたかったのだ。

クアーネル: ノルディンウェ、悪いが君を愛していない。婚約は破棄しよう。

語り手: ノルディンウェは後に別の求婚者を見つけたが、クアーネルの裏切りを忘れることはなかった。憎しみを抱いた彼女は、靴に呪いをかけた。美しくしなやかなその靴には、恐ろしい秘密があった。

ノルディンウェ: クアーネル、以前は仲がよかったでしょう。ぜひ結婚式に来て。それにほら、この見事な靴を持ってきたわ。ダンスにぴったりよ!

語り手: そうしてクアーネルは式に出席し、披露宴が始まると踊り出した。音楽のリズムが速くなると、彼の足も素早く動き出した。靴は次第に温かくなり、やがて熱くなった。そしてついには足を焼き焦がし始めた。

クアーネル: ノルディンウェ、何をしたんだ? この靴は… いったい!

語り手: しかしクアーネルは踊りをやめられず、しまいには息を引き取った。この間ずっと、ノルディンウェはただ笑顔をたたえていた。

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