どれだけの間ここにいるのか見当もつかないが、もう何年もいる気がする。 黒装束の兵士たちが農園を焼き、家族全員を捕らえた。真っ暗で月のない夜、黒い獣脂で覆われ無数の犠牲者たちの血を塗りたくられた石の祭壇に我々を寝かせ、1人ずつナイフを刺した。破滅とはまさにこのことだ。我々はデイドラのための奴隷だった。 今ではもう自分の中に、失ったものを嘆く気持ちも見当たらない。日に日にこの魂のない状態が意志を失わせていく。覚えておくことが難しくなる。考えることが難しくなる。多くの記憶を失った。父の顔は、母の声はどんなだったろう。まさかと思うだろうが、なくなってしまった。ただ消えた。 基本的な感情すら薄れつつある。私を捕らえた連中への怒りを感じることもなくなった。自分を哀れむこともなくなった。残っているのは大きな空虚さと、他人のもののように聞こえる遠い命の響きだけだ。 響きが消えるまでにどれだけかかる?
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