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戦士ギルドの歴史 パート2

「鉄宰」ディニエラス・ヴェスは当初、アカヴィリだけの結社にすることが大切だと考えていた。彼がこうした信念を抱いていたことはどの歴史家も認めるところだが、その動機については意見が分かれる。古典的でシンプルな理論は、ヴェスは同郷人のことをよくわかっていて、信用しており、利益のために戦うという彼らの伝統がプラスに働くと踏んだからだ、というものだ。また、鉄宰と大君主のどちらもこの組織を利用して、五百年前に端を発するタムリエルの征服を達成しようとしたのだという、これまたもっともな意見もある。第一紀2703年にタムリエルを襲撃したとき、アカヴィリはレマン王朝に撃退された。そして今、最高顧問が権力の座につき、ディニエラス・ヴェスの策謀によってアカヴィリだけの現地軍が生まれようとしている。戦闘で成し遂げられなかったものを、忍耐力でまんまと成し遂げようとしていたのだ。多くの研究者が提唱するように、こうしたやり方はアカヴィルのツァエシにとって、伝統的な戦略なのである。なにしろ彼らはいつでも時間を味方につけられる、不死の蛇人なのだから。

だが、それらは空論でしかない。シフィムはシロディールと隣接するいくつかの王国で地位を確立したものの、あっという間に現地の戦士の必要性が高まった。問題の一部は単純に、なすべき仕事をこなせるだけのアカヴィリがいなかったということだ。それから、配属された地域の地理や政治を蛇人が理解しないという問題もあった。

シフィムがアカヴィリだけでは成り立たないことは明白だった。そして、その年の中頃までに、戦士兼妖術師、ならず者、騎士のノルド3人が組織に加わった。

そのノルドの騎士は、名前が時間の流砂に埋もれてしまったが、腕のいい鎧職人でもあった。それにひょっとすると、ディニエラス・ヴェスを除けばもっとも組織の発展に貢献した人物であったかもしれない。しばしば述べられてきたように、アカヴィリ、とりわけツァエシは鎧よりも武器についての造詣が深い。彼らが鎧を着ることはなかったとしても、騎士は他のメンバーに敵の鎧の弱点を説明し、ポールドロンやグリーヴには関節がいくつあるかとか、アケトンとアームカチェン、ゴーゲットとグリドシュリム、パレットとパスガード、陣羽織と草ずりの違いについて説いて聞かせたのだった。

こうした知識のおかげでシフィムは、その心もとない戦力からは考えられないほど効率的に、賊どもを一掃するための長い戦いに勝つことができた。歴史家はこんな冗談すら口にする。アカヴィリが第一紀にノルドの鎧職人を雇っていたら、侵略は成功しただろうに、と。

シフィムに加わった3人の部外者が活躍したことで、現地メンバーの加入に拍車がかかった。その年度末までに、シフィムの活動は帝国全域に広がっていた。若い男や女が大挙として組織に加わった。その理由は、生活が苦しいから、ひと暴れしたいから、冒険に出たいから、犯罪のはびこる隣国を助けたいから、などなど、十人十色だった。彼らは訓練を積み、悩みを抱える貴族を救うべくすぐさま派遣され、管轄区域における衛兵や戦士としての役割を担った。

犯罪撲滅や怪物退治におけるシフィムの目ざましい活躍ぶりが呼び水となって、最高顧問ヴェルシデュ・シャイエは帝国の商人を求める他の組織の代表者も手厚くもてなすようになった。魔術師ギルドは、比較的早い時期に結成されてはいたものの、帝国から疑わしく思われていた。第二紀321年、最高顧問は「ギルド法案」を採択し、魔術師ギルドは帝国公認のギルドとなった。この法案では他にも、鋳掛師、靴職人、娼婦、代書人、建築家、酒造家、ワイン商、機織工、ねずみ捕獲人、毛皮職人、料理人、占星術師、治療師、仕立師、吟遊詩人、弁護士、それから戦士であるシフィムも公認ギルドとなった。ただし、勅許状にはシフィムとは記されておらず、すでに市民のあいだに浸透していた呼称を立てる形で、「戦士ギルド」と呼ばれるようになった。どのギルドも、第二、第三紀にかけて新たに認められた他のギルドも、タムリエルの人民に対する価値を認められ、シロディールのもとで保護され、奨励されることになっていた。対価を払わなければ勢力を広げることはできなかった。ギルドの存在により帝国の基盤は強化され、その財源は再び潤っていった。

ヴェルシデュ・シャイエの死後間もなく、ギルド法案の採択からわずか3年後、世継ぎのサヴィリエン・チョラックは現地軍の再編に着手した。戦士ギルドはもはや地方貴族の主力部隊ではなくなっていたものの、その存在価値は揺るぎないものとなっていた。過去においても、私的財産を求めた力のある個人は確かに存在したが、ディニエラス・ヴェスこそが、近代における冒険ブーム、つまり、富と名誉をつかむことに人生を捧げる男たちや女たちの「奔り」とも言える存在であると、多くの歴史家が述べている。

それゆえに、誰もが戦士ギルドに感謝しなければならない。そのメンバーだけでなく、対価を払えば法の範囲内で強い戦士を提供するというギルドの公平なる方針に助けられてきた人々も。戦士ギルドがなければ、どんなギルドも存在しなかったのだから。それどころか、自立した冒険家という生き方すら存在しなかったかもしれないのである。

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