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書籍

ヴァレンウッドの心臓

〈告げ示す者〉ベレダルモ著

ヴァレンウッドの心臓、生きた森の心臓はよく1つの物体であると誤解されやすい。大木が森の中心にあるというのは本当であり、ヴァレンウッドの活力源のようなものを巡らせている。だがその木が心臓であるとするのは、ヴァレンウッドの心臓の理解としては非常に限定的なものになる。

ヴァレンウッドの心臓は森の魂であると言ったほうが適している。巨大な木はその魂のただの物理的な象徴であるが、身体の魂のように、ヴァレンウッドの心臓は1ヶ所ではなく全体を満たす。

ヘクタヘイムの古代のアイレイドを見たいと願う者が知っていたように、それは途方もない力を持ち、ヴァレンウッドの他の地域をはるかに凌いでいる。結果として、その特別な場所はしばしば古い書物で「ヴァレンウッドの心臓」と記されており、良くも悪くも利用しようとする数知れぬ陰謀の対象となった。

もっとも初期の陰謀は、アイレイドが初めてヴァレンウッドに来た時に起こった。ある死霊術師(忌まわしい名前は長い歴史の中で失われた)がヴァレンウッドにアンデッド軍と侵攻し、命を与える心臓の力を悪用してアイレイドの魂で恐るべきアンデッド軍を作り上げた。アイレイドはその軍を倒すべく長期戦を戦い抜いたが、結局倒すことはできず阻止しただけだった。

アイレイドはウェルキンド石を使ったヘクタヘイムを包み込む強力な結界を作り、以前素晴らしかった街は征服に来た軍の監獄となった。アンデッドは地に帰されて囚われた。結界を破ろうとして成功したものはおらず、魔法そのものを無効にできた者だけが、アイレイドの驚くべき仕事を元に戻せたと推測される。

ヴァレンウッドの心臓に関する理解が限られており、滅多に話されないのは、強力なハーシーンの結界があったからだ。ウッドエルフはヘクタヘイムに迷信と畏敬、つまり古代への畏れと、内部から発散するような生気を与える力の崇拝が入り混じった感情を向ける。

最後にヘクタヘイムに入って心臓を見たウッドエルフは、200年以上前のシルヴェナールだといわれている。だが当時の複数の記述でさえ、彼が同時代の人にはおかしくなったとして扱われたことを暗示している。

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