ヴィリン・ジリス(ソーサ・シルの個人書記)著 息子よ、簡単な事実さえ覚えられないお前の無能さのせいで、ことあるごとに我が一族は恥をかく。これは ヴァーデンフェルの名家に語り継がれる言葉と、各家が守護者として祀っている聖人たちをお前に伝えるための記録であり、それぞれの家訓と責務を示している。もしお前がまた、我が家の取引相手であるフラール家とドーレス家の商人貴族たちを混同するようなことがあれば、今度こそお前を勘当する。これは改めて言う、お前への最後通告だ。 (こんな初歩的な事柄を書き記す必要があるということは、聖堂の教化過程に不備があるということだ。参事会員に調査を依頼し、改善を提案しなくてはならない) レドラン家:「レドランは戦士であり、その務めは第1にトリビュナルに、第2にレドラン家に、第3に家族と一族に対し果たされるものである」 - レドラン家の守護聖人は指揮官、聖ネレヴァルである。 (ネレヴァルの死については聖堂の文章を再確認すること。これに関しては用心するにこしたことはない) インドリル家:「正義は眠らない。インドリルが命じ、聖堂が裁きを下す」 - インドリル家の守護聖人は公正なる聖オルムスである。 フラール家: 「公正かつ自由な取引が三大神を称える」 - フラール家の守護聖人は巡礼者、聖ヴェロスである。 ドーレス家: 「無知蒙昧の民に文化と真実を広めよ。これが我らの責任であり義務である」 - ドーレス家の守護聖人は敬虔なる聖ロシスである。 (これはヴィベクに指摘する必要あり。皮肉屋な彼を刺激することだろう) テルヴァンニ家:「力強い意志を表現することが、真の栄誉を先人に与える」 - テルヴァンニ家の守護聖人は殉教者、聖ヴォリスである。 第六の名家、影の家、ダゴス家に伝わる格言が欠けているのにはきっと気づいていないだろう。これはあの家がレッドマウンテンの戦いで滅ぼされ、断絶したからである。そののち残った名家がトリビュナルに捧げる聖堂を建立した。もしダゴス家のことを貴族仲間の前で口にしたら、私はお前を勘当する。 気付いただろうが私はここまでで2度、お前を勘当すると警告している。これは私がメファーラやヴィベク卿ほど冷酷ではないということだ。私の心は弱く、お前を家族から簡単に取り除けずにいる。 この文章を肌身離さず身に付けていなさい。そしてこの家訓を見ては我が身の行いを正し、貴族の立場に恥じることのないように。お前の愚かさで我が一族を汚すことのないように。2度とお前を人前で大ばか者と呼ばずにすむことを願っている。 (ヴィリンの願いが叶うよう、幸運を祈る)
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