恵雨の月30日
モズゴスが彼女に毒を盛ったエルフを始末した。だが彼女の状態は非常に悪い。俺の炉床の妻によれば、この毒はブラック・マーシュのもので、解毒剤もそこにあるようだ。
栽培の月1日
ありえない! クランは俺がブラック・マーシュの解毒剤を手に入れに行くことに協力するつもりはないようだ! あの成り上がりのグルーリグに、娘のモズゴスのことを哀れで弱い奴だと言われた!
奴を殴った。奴の血は一時間近く止まらなかった。モズゴスはマンモスのように強い! モーロッチの掟がなければ、彼女は今頃俺を越える族長になっていただろう。
ここを離れればグルーリグに俺の砦を奪われるかもしれない。構わない。戻ってきたら奴と戦うことになるだろう。
栽培の月4日
炉床の妻は2つの解毒剤を知っている。彼女は古い聖なる小瓶をくれた。ハーブを見つけさえすれば、あとはこの瓶が何とかしてくれるはずだ。
セリウィードは毛で覆われた背の低い広葉樹だ。その葉を小瓶に入れれば、それが生命の暖かさを宿し、モズゴスを完全に回復してくれるようになる。炉床の妻によれば非常に珍しい植物のようだ、だがこれは良いことだ。この治療薬が一般的に使用されるようになれば、これに頼る者の心に隙ができてしまう。できることならこのエルフの薬で俺の娘の血を汚したくない。
エクサリィの葉は有毒だ。だがその花弁は強力な治癒力を持っている。この薬はモーロッチの血のように泡立つ。体に完全に取り込まれたとき、恐らく副作用が発現するだろう。この花弁を小瓶に入れると調合薬がピンク色になる。その泡はいわば血に酔った戦士だ。モズゴスの治療には痛みが伴うが、それを乗り越えるだけの価値はあるはずだ!
栽培の月12日
ヒスミールに着いた時、モズゴスが熱で倒れた。長くはもたないだろう。
雇った案内人から、どちらの治療薬もアタナズ遺跡で見つけられるという話を聞いた。あそこにいるトカゲ達は沼の悪魔と交流がある。その獣達は稲妻の息を吐き、人間とエルフの肉が好物だそうだ。奴らをわざわざ探そうとするのは愚か者だけだ。はは! 奴らに、モーロッチに選ばれるということがどういうことか教えてやる!
霧が晴れたらここから離れるつもりだ。
栽培の月14日
監禁されている。アタナズ遺跡の外にある沼地で気付いたら捕まっていた。奴らは水の影のように急に姿を現わすと、地底に姿を消した。臆病者め! 奴らは夜になるまで俺を泥の下に拘束した。そして俺はこの酷い臭いのする墓地で目を覚ました。
奴らが姿を現したら、グルーリグのときのようにぶちのめしてやる! モーロッチの右手にかけて、誰も俺の前に立ちはだかることはできない! 俺はゴーダグ! 族長だ!
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