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書籍

復活者フィンボア

私と共に歌ってくれ、嘆きと喪失の歌を
歪められた理想と、打ち捨てられた運命の歌を
嵐がインクの風となって吹き荒れる
学ばれた教訓と、隠された秘密の歌を

多くの男たちと同じように、私には父がいた
そして確かに、彼は高名な戦士だった
彼の勇気と胆力は、私の母も保証した
強大なるフィンボア、それが彼の名だった

父は心の中に秘密を隠していた
運命との取引により、自らの最期を知っていた
兵士ならば技をもって容易く相手にできたが
魔術を相手取れば殺されることを知っていた

終わりを恐れるな、我が子よ
大いなる狩りが、野生からの呼び声と共に終わる時
大いなるニメリアがお前の魂を拾い上げ
彼女に守られ、甘美なる暗闇へと旅するのだから

私にとって、父は暖炉の火のようなもの
大きく暖かく、危険な薪の炎
全世界にとって、父は死の影であり
敵はその刃から逃げ惑う

だがある忌まわしき日、逃げぬ者がいた
父に適う者など誰もいなかったのに
外套を着た人影が煙に包まれて現われ
父が内に秘める恐怖が爆発した

父が言っていた、強大な魔力を持つ魔術師
父の高名なる技にも匹敵する存在
魔術の力を前に、フィンボアに何ができただろう
戦い、悲劇の結末へと向かう以外に?

魔術師の呪文が空を切り裂き
フィンボアをニメリアへと送り届けた
魔術師は我らをただ蔑み、笑った
その呪文は父の喉を一瞬で掻き切ったから

父の生命なき抜け殻が冷たくなるのを見て
私の中にある計画が生まれた
霊魂の女王が父を連れ去ったのなら
インクの海の先までも、私は泳いでいこう

我らが伝統に従い、私は父の死の象徴を
木から削り出し、肌身離さず持った
疑いの念が生じるたびこれに目をやった
人生に偶然などないことを思い出すために

祈りを極めるのに数年を費やした
だが 闇の魔術により短縮された
ハルメアス・モラが我が呼び声に応えるまで
そしてインクの大雨の中に姿を現すまで

私は父の不幸な運命を彼に伝え
夜が更けるまで論じ続けた
空のすべての星が輝く中
私の叫びはついにデイドラ公に届いた

おおハルメアス・モラよ、汝のすべての本を探しても
我が嘆きを正す知識はないのだろうか
我が父は死に、私は彼の護符を持っている
彼を取り戻す術を示し給え、さすれば私にできることを教えよう

ハルメアス・モラは私の取引に関心を示したようだった
護符は彼にとって新奇であり、その点で彼は容易く説得された
彼はあまりにも暗い魔術の本を私に授け
それを使用するだけで私は印を刻まれるのだった

小さき定命の者よ、汝が知らぬことに注意せよ
汝は知識を増大させるものを求めた
望むとおりに使うがよい。だが本を読んではならぬ
その魔術が何をもたらすか、汝には知りえぬゆえ

彼の忠告は高く響いたが、すぐに忘れ去られた
私は本が与えてくれる死霊術の知識を利用したから
そこには死者を蘇らせる呪文が載っており
それが導くところへ私は従った

その次に起きたことは、私から言えぬ
私は自分が行ったことの記憶を、永遠に封印したい
私は成功したが、父は情愛を示さなかった
再会は想像したものと違っていた

彼は叫んだ、我が子よ、お前は死の抱擁から私を引き裂いた
最期の瞬間を過ぎて遥か後、私の生を再開させた
戦士の死は、正当に勝ち取られた結末
それともお前は、名誉を焼き捨てるべきものと思うのか

お前は私の戦いに敬意を払わないのか
自分がしたことを見よ、お前がもたらしたものを見よ
お前はロークの闇の心臓を拒み、私の休息を拒んだ
すべてはお前の利己心のため、お前が最善と思ったことのため

お前に従うことはできぬ、お前の墓に唾を吐きかけたい
お前がしたことは、一体何を救った?
人生の暮れに、戦いで朽ち果てた死体だけ
確かに、お前は真に私のやり方を学んだのだ

もう私は去り、お前には知らせない
私が再び死にゆくか
それともこの死のような生を送り続けるのかを
我が子よ、それがお前の定めだ

そうして父は私が追えない場所へと去っていった
私は足跡を辿り、山の洞穴を探った
だが父は吹雪の中へと姿を消した
我が父フィンボアは生きているのか、もはや知るすべもなし

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