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書籍

愚かなる固定観念

エストリアーモ著

強くなりたいのなら、偉業を成し遂げたいのなら、一種の訓練にのみ集中し他を排除せねばならないと教える者がいる。これは全くもって馬鹿げている。より多くを習得できる力があるのに、なぜ一つのことを極めるだけにとどまる必要がある?

同業者である魔法使いの間でこのような考え方が特に広まっている印象がある。物理的な戦闘技術やその他学問から遠ざけられ、完全に魔法にのみ専念させられる学習者は多い。結果的に全く興味も才能もない分野まで献身的に学ぶこととなる。

実践的な使い方よりも抽象的な説や実験に注力する魔術師世代を育成してしまうのは非常にもったいなく感じてしまう。あなたも権利を奪われているうちの一人なら、私が新たな可能性を示してやろう。新しい学問分野を開拓することを恐れず、力強く前へと踏み出すのだ。

タムリエルには魔闘士の伝統がある。彼らはその知力と魔力を、戦闘で破壊力を発揮する呪文に生かし、それでいて重装と剣を身に着け前線で戦うことも恐れず、戦闘の流れを変えることができる。歴史上の名だたる英雄たちにもこうして魔法と武勇を組み合わせていた者が多く、同じ道を歩む者にもっと出てきてほしい。

戦場で栄光をつかみ、敵を震え上がらせたいか? ならば物理的なものも神秘的なものも両方極めるのだ。鎧の小手から放たれる炎。自分への攻撃を鎧で吸収しつつ、周囲の敵に雷を降らせる。敵にとってこれ以上の恐怖があるだろうか? 真の力とは弱点を全て排除することであり、それを達成するには複数の分野で知識と経験が必要だ。

これまで魔法にばかり携わってきたなら、おそらく誰にも武器の振り方や防御性能の優れた防具の着方を教わったことがないだろう。最初は愚弄され笑われるかもしれないが、鍛えてくれる人を見つけろ。どんなに弱い(物理的な意味で)魔術師でも、重い防具を身に着けるだけの力をつけることはできる。

戦闘と同時に魔法を使う訓練もできる。そうすることで凄まじい集中力を身につけ、スタミナを強化し、剣を振りながら魔法を使うこともできるようになる。これによりどんな難しい局面にも対応できるようになる。自分の体のことを考えず、結果マジカが尽きてくると隙だらけになってしまう魔法使いがあまりにも多すぎる。

薄っぺらい典型にならぬよう多極化することで、どんな状況にも対応できる力がつくと分かるだろう。最強というのは、単に一つのことのみを極めることではない。あなたにはそれ以上の可能性が秘められているはずだ。自分の能力を拡張しておけば、どんな戦場でどんな敵と戦おうと、戦える準備が整うはずだ。

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