スポンサーリンク
書籍

ファルトニアの約束

ファルトニアの約束、通常の呼び方でいえばゴールドフォリーの物語は、予見、欲、愚かさの物語だ。グラーウッドに行けば、今でも村の遺跡を見ることができる。ある女性、ファルトニア・サルヴィウスの傲慢さの証拠だ。

他の多くのインペリアルのように、ファルトニア・サルヴィウスはグラーウッドから巨万の富を抜き取る機会に出会った。特に彼女が求めたのは、近くの丘にある豊かな金脈だった。彼女は最下級の占い師と錬金術師、金をたんまりもらえる限りは彼女が聞きたいと思うことを話して満足する偽物の助言者を信用した。

金を払えば払うほど、彼女は彼らの嘘を自ら信じるようになっていった。錬金術師のフラヴィウス・アントニウスだけが、その地の土を調べても、大量の金が埋蔵されているだけの証拠はないと主張した。すると彼女は彼を逮捕させ、罰を与えた。彼はその惨めな人生の終わりまで歩くことができなくなり、物乞いしなければ食事が与えられることはなかった。

ファルトニアは、総勢420名にも及ぶ帝国の衛兵とともに、春のグラーウッドへ向かった。彼女は壮大な夢を実現するため、地元のウッドオークたちを労働者として雇い続けた。夏の半ばになると、彼女の選んだ場所に村が建設され、「ファルトニアの約束」と名付けられた。オークたちは金鉱での仕事を命じられた。

金があふれ出した! 熱意を持った発掘者たちが金持ちになる夢を持って、あっという間にファルトニアの約束にあふれ返った! 強引に夢を追い求めたおかげで、たった1年で金鉱は空っぽになった。「ファルトニアの約束」は、仕事にあぶれた炭鉱労働者たちが、食堂で話す冗談のオチに使われるようになった。

失敗したがくじけないファルトニアは、村を守ろうと戦った。金鉱を採石場にしようと試み、近くのヘヴンと交渉して、ボロボロになった彼らの建物を再建するための石を供給しようと話し合った。しかし契約が成立しようというその時、口のうまいアルトマーのキャノンリーブが「サマーセットの石の方がデザインと耐久性に優れている」と強調して知事を説得し、サマーセットがヘヴンに石を供給することになった。

ファルトニアは破産した。最後の蓄えを使って、ヘヴンの役人を買収して石の供給の契約を守ろうとしたが、それも失敗に終わった。彼女は、自分の名がついた村を去った。富を求めて村で暮らしていた人々もすぐに彼女に続き、グラーウッドの他の土地へ移るか、あるいは完全に別の地へ移っていった。そして誰もがファルトニアの約束を「ゴールドフォリー」、「金の愚かさ」と呼ぶようになった。

そこに残ったオークたちは、狩人として何とか生計を立て、不屈の民族として育った。彼らは多くの者が去っていった土地でずっと暮らしていることを名誉だと思っている。彼らが村の名前、「ファルトニアの約束」を口にする時、粘り強さ、力、そして不屈の精神といった、良い響きが感じられる。そして、村はファルトニアの愚かな夢の高みには二度と届かないのだろうという思いも。

コメント

スポンサーリンク