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書籍

ファクトタムの分類 - 記録233

ソーサ・シルの使徒、代弁者ネイモス著

ファクトタムモデルの第七世代への発展という前例のない公開を受け、各ユニットに個別の名前を付ける試みは、調整議会から「不必要かつ信頼性がない」と見なされている。現在、私は同様の機能を持ったユニットのグループを識別するだけの任務を課せられている。これは各ユニットがとてもはっきりと表現する個性についての悲しい誤解をさらに示すだけだと思われるが、議会の規則には従わねばならない。そこで、私は将来のため、各ファクトタムのサブグループ名と簡単な説明を記しておく。

記録保管ユニット: この単独ユニットは、クロックワーク・シティ内の全市民の記録にアクセスできる。また、真鍮要塞の保管庫にある全ての文書も保持している。その範囲はセト卿だけが知っている。このユニットはいささか率直で要点を正面から突くが、共に働くのは容易だ。

臨床検視ユニット: 数は少ないものの、これら臨床検視ユニットは様々な検視任務を課されている。彼らは一際優れた技能で、最近死亡した市民の認知保管処理とデータ保持を行える。これは様々な機会に使用されてきた。中でも注目すべきは、代弁者ネヴィンにいくつかの不完全な熱力学の諸要素について質問したことだ。このユニットはより安心できるが、作業に遅れが出たときにはしばしば忍耐力を欠く。

任務遂行ユニット: 比較的新しく真鍮要塞に導入された単独ユニット。とは言え、 これはセト卿自身の実験のための連絡役であることが分かっている。現在のところ、唯一の職務はクロックワークで最も危険な生物だという、〈不完全〉と称される生物と戦う戦闘要員の徴兵だ。私の経験上、このユニットはクロックワーク・シティの「大義」に基づいて任務を創出しつづけるだろう。このユニットは他のユニットよりも騒々しい。

商業委託ユニット: これらのユニットは、住民の取引を補助するためいくつかの機能を持っている。クロックワークの使徒は商業を規制していないが、このユニットを地元のギルドに貸し出すという私の提案は認められていて、現在交渉が行われている。このユニットは他の多くのファクトタムと比較すると、友好的で快活だ。

通貨担当ユニット: 市民の通貨システムに対しては継続的な支援の必要性があり、このユニットは銀行の記録と規制に対応している。彼らはより信頼性が低く、より強欲な生体の銀行家に見られる「エラー」を減らす事に貢献してきた。これらのユニットはより真剣で厳しいが、非常に信頼性が高い。

調理管理ユニット: どの住民も栄養ディスペンサーを動かせるにも関わらず、このユニットは調理に関連したいくつかの機能を持っている。彼らの上出来な食べ物に対する意見には、毎日味気ない食事を与えられる地元住民の偏見が入っているだろうと指摘されてきた。それでも、生成された全ての食事の摂取は完全に安全だとクロックワークの使徒から見なされている。このユニットは、ほとんど甘やかすと言っていいほど優しい。

私は真鍮要塞内のファクトタムに対し、この基本的かつ機能的な分類を続けるつもりだ。より戦闘に焦点をあてたユニットの研究を始める前には、さらなる準備が必要だ。彼らを待機状態にさせておく我々の手法は、数世代に渡って成功していない。歯車が私のために調整されますように。

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