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書籍

ドゥルザの記録

フェルズランの商人、ドゥルザ・グラー・モークル著

後悔してることはたくさんあるけど、クランに代々伝わる剣を持って旅に出る決断ほど強く後悔していることはない。これが二度とモークル家の手によって振られることはないと分かって、自分自身の避けられない死よりも悲しい気持ちで一杯だ。まあ、今は生き延びるしかない。この呪われた金属の世界から、逃げ出すことは不可能なようだから。

本当に私は馬鹿だ。クラグローンへの旅は過去に行った仕事のいくつかに比べたら、簡単なことのように思えた。確かに奇妙で強力な魔術の地だと知っていたが、それで脅えて追い払われることなどなかったはずだ。金払いが良くて、取引が正当なら。

私をこの奇妙な荒れ地に吹き飛ばした嵐は、今までに見たことがないようなものだった。稲妻が奇妙な色に光って、雨が皮膚に熱く降り注いだ。周囲で詠唱が聞こえた。寒気がする、奇妙な言語だった。あの言葉は死ぬまで私につきまとうだろう。

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