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書籍

捨てられた日記

地耀
ようやく仕事を見つけた。モリーが聞いたら喜ぶだろう。家に行って伝える勇気はまだない。まずは胃に何か飲み物を入れたほうがよさそうだ。彼女ならどんなことでも喜んでくれるはずだ。その仕事が例え、ヴァシール・ディダナット鉱山だったとしても。

日耀
この日記をやめることも考えた、だが母さんは、いつも日記が素晴らしい気晴らしになると言っていた。昨夜モリーと大げんかした。彼女は私に例の仕事をしてほしくないのだ。問題は、今の私達の貧しさを彼女が知らないことだ。この2ヶ月の間に、複数の金貸しから金を借りたことを言えないでいる。この仕事が必要だ。だからやるしかない。丸々一週間働く予定だ、寝食も鉱山の中で行う。週末の2日間は休みを取ってモリーのところへ行き、その週の賃金を渡そう。

月耀
初日としては悪くなかった。全部予想していた通りとは行かなかったが。本当の意味での採掘は行わずにすんだ。だがとても疲れた。ボスはどうやらあるシャフトで遺跡のようなものを見つけたようだ。採掘作業は一時延期となり、その遺跡への道を切り開く作業に割り当てられた。つまらない作業と言ったら嘘になるだろう。モリーにも見てもらいたい。本物のトレジャーハンターだ。

火耀
今日は興奮するようなことがたくさん起こった。彼らは遺跡の中で何かを見つけたようだ。自分ではまだ何も見ていないし、彼らもはっきりとしたことは教えてくれない。私達の大半は鉱山に戻され、岩を割る作業に戻った。何が起こっているのか知りたい。

央耀
素晴らしいニュースだ。私を含めた一部の作業員が、何らかの昇進をすることになった。もう岩を割らなくていい。彼らは実験がどうとか言っていた。私のような優れた作業員の助けが必要らしい。ただ、このことは秘密にしておくように言われた。モリーに手紙で教えることもできない。秘密とはそういうものだ。つまり悪い話であるはずがない。今までで最高の仕事だ。

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