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書籍

破壊か、逸脱か

ヒュミウス・エイシディヌス著

特に知的な論客としての地位を確立したいと考える、若い成り上がり者の間では、マジカの破壊的な潜在力を活用する研究を原始的で単純なものと見なして、研究から離れてしまう者が多い。このような考えを持つ者は、より実践的な魔法を応用することよりも、あいまいな理論的主題を研究することに時間を費やすことを好む。

実際、こういった学者ぶる者たちは、同年代の学者の仮説に反証するために自説の本を書く以外には何も成し遂げず、実際的な魔法の研究において、何の根拠もない仮説を議論することで時間を無駄にしている。彼らはお互いに、彼らの想像上の分野で相手を出し抜くことばかりに気を取られていて、実りある発展は決して生み出さない。私は確信しているが、自らの欲求を優先する振る舞いはアルケインの研究にとって、進歩 (呪文の発見などの具体的な発展) を阻むものである。

魔法が奥深く複雑であり、私たちの理解が完全には及ばないことは否定しない。しかしながら、比較的複雑でない魔法を完全に理解する前に、観測し得る現象において根拠の乏しい仮説を議論する価値があるかについては、疑問を呈する。長年の実地経験において私は、最も簡単だと軽視されるマジカの現われを研究することで、時に魔術の本質を明確に知ることができることに気付いた。基本と思われるものを完全に理解せずに、一体どうやって、魔法を進化させ学習者やタムリエルに広く利益をもたらせるというのだろうか? 私は読者諸氏に強く願いたい。実りのない知的議論の世界に身を落とすことのないよう、ご注意いただきたいと。

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