私はスカイリムのリリス、ティタンボーンと呼ぶ者もいる。私の友人であり協力者、歴史が「預言者」として記憶するであろう、ある男性の代わりにこれを書いている。彼の深い洞察力と星霜の書の研究を通して、我々はタムリエル全域に迫る、恐ろしい脅威の本質の理解に達した。 これを読む人々に知らせたい。第二期579年に起きたソウルバーストは、あるエルフの裏切りによるものだ。それはアルトマーの死霊術師マニマルコ。虫の王でありデイドラ公の中で最も下劣な策謀の神、残虐の王たるモラグ・バルのしもべだ。 過去にマニマルコはヴァレン・アクィラリオス皇帝の宮廷の主席顧問であった。元々コロールの公爵だったヴァレンは征服によりタムリエルの皇帝となる。マニマルコの助言で、ヴァレンは前の王朝に対し反乱を起こした。ロングハウス帝として知られるリーチの民の野蛮な政権だ。だが征服と勝利を収めたにもかかわらず、ヴァレンは真の皇帝とならなかった。前皇帝レオヴィックと同じく、ヴァレンにはドラゴンの血が流れていなかった。伝統により真の皇帝がなすべき、選ばれし者の聖堂でドラゴンファイアを灯す資格がなかったのだ。 ドラゴンファイアは何代にも渡り灯されないままだった。アカトシュが聖アレッシアに贈った神々の遺物である王者のアミュレットが、レマン王朝の崩壊に続く数世紀で失われていたためだ。第一紀の帝国皇帝たちが伝統的に身につけていたこの遺物だけが、真の血統たる支配者に新たなドラゴンファイアを灯させるのだ。 マニマルコにせき立てられ、ヴァレンはこの遺物を探す仲間を集めた。このグループには私とレッドガードの剣聖サイ・サハーン、最高議長のアブナー・サルン、マニマルコ自身もいた。何年もの間、我々は無数の手がかりを追ってタムリエル中を探し回り、ついにその在処を突き止めた。 帝都に戻るとマニマルコはヴァレンの不安をあおり、即位の儀式を行わせた。儀式には手が加えられており、ドラゴンファイアを灯せないばかりか、アカトシュにドラゴンの血による神の代行権と祝福を彼に与えさせることもなかった。これがマニマルコの陰謀だと我々が知ったのは、即位の儀式の後だった。 虫の王はアミュレットの力を汚そうと魔法を使い、ソウルバーストとして知られる大惨事を引き起こした。あの出来事についてはほとんど覚えていない。その後の混乱が即座に起き、破壊的だったことしか。 ヴァレンはソウルバーストの恐ろしい猛威により消滅した。サイ・サハーンと私は不当にも、彼の死に関わっているとされた。意識の戻ったサイ・サハーンが王者のアミュレットと共に消え失せたために、より疑いが強まってしまった。最高議長サルンは日和見主義で、すぐにマニマルコ側についた。 「預言者」の素性も謎の1つだ。彼はある日シロディールにある聖蚕会の修道院を訪れた。彼らはただの放浪者だと考え、彼を迎え入れて食事を与えた。だがその夜、蔵書庫で彼が星霜の書の銅版画を読みふけるのを見つけて驚く。この書を読めるのは聖蚕の僧侶たちだけであったため、彼らは彼の来訪を神々からの預言的なしるしだと考えた。 それを読んだ者全員と同様に星霜の書は預言者の視力を奪い、永遠に盲目とした。だがそれでも彼は心の目でその研究を続け、やがては今我々が直面している大きく過酷な脅威を予知するまでになったのだ。 彼の言葉は遠く広く伝わり、帝都とマニマルコの耳にも届いた。虫の王は噂で儲けようとした罪と反逆の罪で直ちに預言者を逮捕した。そして修道院の何もかもを焼き払ったのだ。 「預言者」が告げた破滅はすぐに形を成し始めた。帝国の広大な土地はデイドラの炎に焼き尽くされ、最初のダークアンカーがその地に降ろされた。 モラグ・バルによる我々の世界の侵略が始まった。マニマルコの裏切りがこれを可能にしたのだ。
コメント