スポンサーリンク
書籍

神聖執行局の事例

神聖執行局ビューローリーブ、上級執政官リンワレイ著

神聖執行局はサマーセット島の法秩序を管轄する最高機関であり、女王と王家の宮廷にのみ従う。我々は上級公や上級公女の意志には従うものの、必要であれば貴族においても不正がないかどうかを調査する義務と権力を有している。

例として、不実なキャノンリーブの事例を挙げたい。これは数年前、アイレン女王が玉座につくよりも以前の出来事である。当時、クラウドレストのキャノンリーブは貴族出身で評判も優れたアルトマーで、比類なき血の一族に属していた。このことは当然ながら、血がアルトマーの全てではないことを証明している。我々の司法高官の1人が噂を聞きつけ、キャノンリーブの事業を調べ始めた。徹底的な調査の後、このキャノンリーブがエトン・ニル山の内部に多くある遺跡の1つで行われていた歴史研究プロジェクトから、特に優れた古美術品を着服していたことが判明した。彼は目録や記録を改ざんして外国の収集家に古美術品を売り、美術品が紛失した形跡を一切残さないようにしていたのだ。司法高官は証拠を集め、結局キャノンリーブは、地位と貴族の血があってもこの国の法の外にあるわけではないことを学んだ。

神聖執行局は宗教的、文化的な法律に関することも扱う。アルトマー社会の慣行を守らせることも我々の仕事である。不完全なる完全の事件は検討すべき事例である。この事件はある宝飾師に関するものだが、彼はネックレスや指輪、アミュレットを製作中不運に見舞われ、見た目にも明らかな傷がついてしまった。この職人が完全な宝石細工を作ることにいつも失敗しているという訴えの調査は、筆頭司法高官ナルダルモが引き受けた。筆頭司法高官はこの職人が昔に比べて遥かに熟練の度合いを落としていることを確かめ、令状付きの懲罰措置として、彼が見ている前で職人に自分のアラクソン球を割ることを命じた。職人は再び熟練を得るために働き、新しい球を申請しなければならなくなったのだ。

以上は、神聖執行局によって処理された事例の、ほんの一部である。

コメント

スポンサーリンク