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書籍

アルファウリ隊長の日記

ポータルの呪文で何かがうまくいかなかったのは確かだ。侮れない侵略勢力としてコールドハーバーに到着する代わりに、バラバラになってしまった。今は部隊のいない隊長だ。一緒に現れた者達… 私達はここに来て以来ずっと戦うか逃げるかしている。暗い森林地帯の端でやっと比較的安全な場所を見つけ、キャンプを張ることにした。到着して以来、ただ座って考え事を記録に残せるほど安全だと感じたのは、これが初めてだ。

この領域では、時間の流れ方が違うようだ。ここに来てから数時間しか経っていないかのように感じる時もあれば、何日もいると確信できる時もある。この任務は大失敗となった。一緒にポータルを通る代わりに、四方八方に投げ出され、強風に飛ばされた枯れ葉のようにばらまかれてしまった。しかし運が味方についていた。カジートのカムと一緒に到着したのだ。他の面でも運が良ければ良かったのだが。

このキャンプの東にある風変わりな遺跡に迷い込んだ。冷たい炎の精霊が至る所にいて、焼かれて青く細かな破片にされそうになった。いくつか倒したが、尻尾を巻いて逃げるしかなくなった。しかし森林に近づくと、どういうわけか精霊達は追ってこなくなった。突然興味を失ったかのように、遺跡へと戻っていった。

まあ、書くのはここまでにして、キャンプを仕上げるのを手伝った方がいいだろう。少し睡眠を取った後でさらに書くことにする。何も悪いことが起きなければの話だが。

***

ほんの数時間(分? 日?)寝ていると、私達は聞こえてきた声で目を覚ました。森の陰の中に人々がいて、話したり囁いたりしてるようだ。声は聞こえるが、その声は言葉を聞き取れるほど明瞭ではない。もしくは単に、私達が誰一人聞いたことのない言語なのかも知れない。よく分からない。ただし時々、何か助けを求めるような声がハッキリと聞こえる。

その必死な叫び声を聞くたびに、行方不明の仲間のことを考える。彼らがあの暗い森の中で途方に暮れているのかも知れない。負傷したり、危機が迫ったり… とにかく、あの中では何が起きていてもおかしくないのだ! カムと一緒に森林の中に入り、その痛ましい声の出どころを探しに行くことにした。

うちの探検隊の他のメンバーがこのキャンプを見つけた場合に備えて、日記はここに置いていく。私達の進んだ道を追えるように、できるだけ形跡を残していくつもりだ。西に向かってから南西へ向かうので、可能ならついてくるといい。

他にも知っておくべきことがある。木々の間を漂っているウィスプを触ると、自分の体が光を発し、一時的に光源を得られることをカムが発見した。暗い森の中で道を探すのにはぴったりだ。私達と合流するつもりなら、ウィスプを惜しみなく活用した方がいい。

さあ、行く時間だ。もうすぐ会えることを祈る。八大神のご加護あれ。

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