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書籍

珍しい野兎

マヴェルド・ベアファング著

私はハーシーンが選んだ野兎についてあまり知らないが、確かに分かっていることもある。それは賢く、素早く、追跡がまず不可能だということだ。このグレートハントは、誰も達成できないほど難しいのかもしれない。

さて、私は認めなくてはならない。私にはインドリク狩りの経験があまりない。事実、そのような経験はまったくない。サマーセットはインドリクが見つかる唯一の場所であり、ハイエルフは国境を解放したかもしれないが、私の毛深い皮が向かうのは当分先だ。どういうわけか、アルトマーが狼への変身能力に恵まれた者たちを歓迎するとは思えない。

だが、この獣は本当におかしい。足跡を辿ってもその先は行き止まりであり、絶壁だ。獣の臭いを掴んでも、数分後には途切れる。その上、時々、見られているような気がする。敏感になっているだけだと思いたいが、直感を無視するにはあまりにも長く狩りをしている。

インドリクの痕跡には足跡以上のものがある。焦げた植物、氷に変えられた水。この獣には何らかの属性の力があるに違いない。この獣を仕留めたら、牙と爪の他にも対処する必要がある。もちろん、これはハンツマンの挑戦として相応しいものだろう。

もう近い。獣が疲れてきたのかもしれない。ただ、今は考えざるを得ない。狩られているのはどちらか?

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