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書籍

優雅な筆跡の手紙

愛しきジブリル、

島を出ることにしたわ。どうか後を追わないで。一緒に過ごした時間は胸に大切にしまっておくつもりよ。でも、これからはそれぞれ違う道を歩きましょう。

ファハラジャード王がアリクルの忠実なる息子たちと娘たちに召集をかけたの。砂漠を越えて広がり、世界情勢に本当の意味で影響を及ぼすチャンスを、ダガーフォール・カバナントはくれるというのよ。王に見込まれれば、海軍に加わり出航することになる。それこそ、私がいつも夢見ていた人生だわ。

手紙を書いた理由を分かってもらえたと思う。もし本当に私のことを想ってくれるなら、今の稼業から足を洗って、まっとうな仕事を見つけてちょうだい。私のことを懐かしむのはいいわ。でも、2人の過去に未練を抱いては駄目。

あなたのことは忘れないわ、ジブリル。でも、もしあなたの船がカバナントの船から略奪を働いているところに我が海軍が遭遇したら、そして、もし艦長からあなたの船の乗組員を斬れと命じられたら、私はためらわずそうするでしょう。あなたを剣で刺し貫くでしょう。名誉を守るためには、そうするしかないから。

あなたが無事、旅の目的地にたどりつけますように。

- ラミーナ

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