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書籍

アルマレクシアとマッドクラブ

昔から伝わるダンマーの物語

昔あるところに、とても苦しんでいるマッドクラブがいました。足が不自由で、ゴホゴホと咳をしていました。殻がゆがんでいるせいで、体が痛みました。彼はいつも疲れていて、自分はきっとすぐに死ぬだろう、と皆に言っていました。ある日、彼は谷をぶらつきながら、話を聞いてくれる相手なら誰にでも、文句を言っていました。

ショークが殻の一部から留め具を作って、マッドクラブに渡しました。「マッドクラブ、これで君の足を支えてみるといいよ」と勧めました。

「いや、いや、だめだ」とマッドクラブは言いました。「前にも試したけどうまくいかなかった」

「マッドクラブ」今度はアリットが言いました。「君の殻をちょっとかじらせてくれよ。少しひびを入れたら、殻がゆるんで楽になるよ」

マッドクラブは答えました。「だまそうとしてもだめだ、アリット! ただおやつが欲しいだけなんだろう!」

この日、アルマレクシアは国を歩き回っていて、彼らの会話を耳にして谷に行きました。その時の彼女はどこにでもいるようなグアルに姿を変えていました。

「マッドクラブ」と彼女は言いました。「この水薬を飲んでみて。あなたの咳のために私が作ったの」

「グアル、君は治癒師じゃない。できの悪い治療薬を飲むくらいなら、痛みを我慢したほうがましさ」とマッドクラブは答えました。

そこでアルマレクシアはその生き物たちに、真実の姿を明かしました。彼らは驚いて息をのみました。「マッドクラブ」彼女は言いました。「この生き物たちは皆、あなたを助けようとしました。けれどあなたは断りました。あなたは文句を言うことが好きなのです。あなたが癒やされることはないでしょう」

アルマレクシアが教えてくれたのは、望まない者を助けることはできないということです。

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