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書籍

アルディミオンの日記

実に奇妙な要請だ!

私は夕暮れ時の散歩で、裏通りにて軽食を取っていた。そしてその時楽しんでいたインペリアルの首が、金のメダルを着けているのに気付いたのだ。見てすぐに、黒き虫の教団の印だとわかった。これに気を取られていると、角のない何かが肉と骨に打ち付けられる鈍い音がして、世界が真っ暗になった。

目覚めると洞窟で椅子に縛られ、頭はほろ苦い痛みでズキズキとしていた。大勢のフード姿の信者が私を囲み、その目には明らかに殺意が浮かんでいた。私はそれを気に入った。

信者の1人は他の者とは違うように見え、リーダーなのだとすぐにわかった。彼は冷たいが落ち着いた振る舞いで、私をまったく恐れていなかった。

彼はアブナー・サルンと名乗った。私が彼の忠実な護衛の1人を夕食にしたことにいささか不満を抱いていた。彼の説明では、通常このようなことをすれば命がなかっただろうが、私のやり方とその… 暴力的傾向を気に入ったそうだ。私を大いに有望だと考え、互いに有益な協定を提案したいと彼は言った。

黒き虫の教団に加わることに同意すれば、私は死んだ部下の代わりだ。市内の便利な場所にある地下の隠れ家に住み、そこでは十分な食事と黒魂石の事実上無限の供給が保証される。

この取り決めはよさそうに思えた。だがデイドラの支持者をからかうため、断ったらどうなるか訊ねてみた。その答えとして、サルンは私の足元にコールドハーバーへのポータルを開いた。椅子が揺れ出し、向こうに堕ちた連中の悲鳴が耳を満たした。これを聴くのは楽しいものだが、この身で体験したくはない。

言うまでもなく私は従うことを選んだ。それで今では、昼の内はこのつまらん洞窟を守ってのんびり過ごし、日が暮れると街をうろついている。悪い暮らしではない。実は死霊術の勉強まで始めたくらいだ。いつかサルンも直々に、細かな点を教えてくれるだろう。時が経てば分かる。時間なら私にはいくらでもあるのだ。そうだろう?

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