書籍

ゼイシャラの1つ目のメモ

残ったのは今やゼイシャラだけ。
隠れ、祈り、泣く。

アジンは私の幼いエルザールが、この寒さや呪われた丘をうろつく化け物から生き延びられたはずはないと思ってる。
あの子がはぐれたのは天の慈悲だと言う。
エルザールはこの猛烈な吹雪の中で身をまるめ、安らかに眠り、やがて寒さで息を引き取っただろうと。

だけどアジンは間違っている。母親には分かる。

あなたのために残しておくわ。ちょっとした魔法の贈り物。
覚えてる、ミストラルのおうちでこの者が色や渦を呼び出して笑わせてあげたでしょ?
あなたが柔らかな手で叩いていたおもちゃが消えて、また現れたでしょ。
おかしな詩やお話を眠る前にささやいてあげたでしょ?

こういう思い出の中で、あなたは私に会えるでしょう。
私には分かる。

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