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書籍

監視人シャブマーの日記

監視人シャブマーの日記より

ヴィルマリルを封じ込めなくてはならない!
このカタコンベの外で何が起こっていようが、あの裏切り者は自分の犯罪により罰されなければならない。
彼の邪悪さが世界中に広がらぬよう、投獄されなければならない!

我々はあの不快な生き物を殺そうと試みた。
ヴィルマリルが裏切って上級王デュラクとネードの王達の議会の出席者を殺した後、我々は彼を追跡して捕らえ、その恥ずべき存在を終わらせるため、戦士と魔術師の小隊をこのカタコンベに送り込んだ。
私はその小隊の一員だった。
私にとってこの言葉を書くことは苦痛だが、しかし、これは真実で、受け入れざるを得ない。
我々は負けたのだ。

それはすぐに明らかになった。
我々は本当に生きているわけではない存在を殺すことはできない。
そのかわり、我々はすばやく新たな計画を立てた。
我々はヴィルマリルを弱らせてカタコンベの奥深くに閉じ込めることはできるだろう。
そして、自ら犠牲となろう。
魂魔法を使って、自らを不死の者、永遠の監視人とするのだ。
我々は、ヴィルマリルの守護者として、囚われし者として時の終わりまで務めるのだ。

* * *

魂魔法はうまくいった。
我々はヴィルナリルを魂の結界の後ろに封印し、動きを止めた状態にした――深い眠りと同じようなものだ。
我々は今や永遠の監視人として裏切り者を見守り、彼のアンデッドの軍勢を解き放つ計画を決して実現させないことを誓った。

後はただ待つだけだ。
そして監視する。
永遠に。

* * *

ガラランが頭の中で奇妙な声が聞こえると訴えている。
我々は彼を無視した。
どの道、我々は皆この終わらぬ拘束の間に少しばかり正気を失っているのではないか?
彼は大丈夫だ、間違いない。

* * *

今は私にも声が聞こえる。
時々、それは千もの声がいっせいに話しているように聞こえる。
雑音と混乱が乱雑に入り乱れている。
それから、それはとても低い、かろうじて聞き取れる1つの声の囁きとなる。
しかし、時折その声は生き生きとした、はっきりした声になって私に届き、そして私は誰が話者だか認識するのだ。
どういうわけか、どうにかして、起きないはずのことが起こった。

ヴィルマリルが目を覚ました。

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