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書籍

ハイ・アイル観光案内

エミッセ・フェアウィンド卿著

エルセリック海の宝石、ハイ・アイル! 陽光溢れる海辺、緑の丘、そして親切な人々で知られる地! 何かと不穏な今の時代にあっても、タムリエルの裕福な者の多くが、シストレス諸島の温暖な気候と、快適なそよ風に休息と安楽を求めにやって来ている。

ハイ・アイルの訪問者の大部分は、シストレス最大の街であり島の主要な港であるゴンファローネ湾に到着する。あなたの旅は世界の不思議、ゴンファローネの巨像から始まる。この雄大な像は伝説の全旗海軍の指揮官、男爵提督ベンドゥ・オロを描いたものである。彼は街の港の入口を、太陽を迎えるように高く掲げた六分儀で守っている。城の塔にも匹敵するほど高い、王の姿である。

ゴンファローネ湾自体が、快適な広場と古風な街路を持つ魅惑的な港町である。多くの訪問者は欲しいものがすべてここにあるので、この先へ行かない。扉の上にかかった歴史的遺物にちなんで名づけられた宿屋〈古代の碇〉は、街で最高の酒場であり、夜を過ごすには絶好の場所だ。さらに賑やかな場所がよければ、ハーバー・アイランドのゴンファローネ・ゲーミングホールを訪ねよう。だが注意してほしい! ここのカードプレイヤーはゴールドが余っている観光客を相手に、生活費を稼いでいるのだ。

ゴンファローネ湾にいるだけでも何週間も楽しめるが、ハイ・アイルにはまだまだ探検すべき驚異が沢山ある。島全体を一周しなければ、シストレスを旅行したとは言えない! まずはハイ・アイルの南海岸沿いを西に向かおう。ゴンファローネ湾から出てすぐのところにあるゴンファローネ岬灯台は、船乗りに愛される目印である。灯台は女神キナレスの祝福を受けており、キナレスの司祭によって管理されている。

南の海を眺めながら、灯台から西へさらに進もう。すぐにハイ・アイルの心臓部へ通じる二つの主要な湾の一つ、ナヴィール湾に着くだろう。200年前にルイス・モーナード公爵によって建てられた、上質な石の橋がかけられている。北の道を進み、内部に向かおう。ハイ・アイルの中心部は断崖に囲まれた大きな流域、すなわち全旗港である。

南の海域で最も強大で、守りの厚い停泊所である全旗港は、全旗海軍がスロードに対する有名な遠征のために集結した地である。港の中心地には全旗の城がそびえたち、またかつての勇敢な船乗りたちに捧げられた大きな記念建築物群は現在、訪問者たちが再び観光できるように改築中である。

ナヴィール湾の西側にあるハイ・アイルの南沿岸に戻れば、雄大なナヴィール城に行き着く。これはデュフォート家の拠点であり、シストレス公爵の居城である。ここでは女公爵とその一族が壮麗に行事を取り仕切っており、著名な客人たちを迎えて大宴会を開いている。

道を西に進み続ければ、ハイ・アイルで最も荒々しく壮大な部分である、人気のない西海岸に行き着く。ここではオークの木やドルイド・サークルの古く趣のある遺跡、そして忘れ去られた祠が日当たりのよい丘陵地に点在している。ハイ・アイルの地方の民の中には、未だに古いドルイドの伝統に固執している者もおり、そうした人々はより文明化された生き方よりも、森の生活を好む。シストレスの一部で、こうした田舎者たちはよそ者に懐疑的である(それどころか危険でさえある)が、ハイ・アイルのドルイドたちは全体として友好的である。

岩だらけの入江と砂浜の景色を楽しみながら海岸沿いをさらに北へ向かい、ミストマウス岬を一周して東へ方向転換しよう。海岸のこの部分は、ハイ・アイルの近隣諸島アメノスとイフェロンを見渡すのに絶好の地である。活火山であるファイアソング山がイフェロンの上にそびえたち、雄大な頂上からしばしば、煙と蒸気の雲を発している。実は諸島全体が火山であり、島の辺境には蒸気の噴出口や温泉、その他のさまざまな地形的特徴が頻繁に見られる。

ここから、道はハイ・アイルの北海岸沿いに続いている。アメノス海峡はここの左側に横たわっているが、この監獄島は嵐によって視界から隠れていることが多い。北海岸の中央部付近には、広大なデュフォート造船所がある。ここではタムリエル全土でも最高品質の船舶が建造されている。付近の港からはアメノス行きの渡し船が定期的に出航しているが、観光客はこの島の港町、アメノス監獄の外に行ってはならないことを覚えておこう。

さらに道を進み、トール・ドライオクの絵画のような遺跡や、クリムゾンコインの尖塔を通り過ぎよう。見慣れたゴンファローネ湾からアブへイン湾を反対側に渡ってすぐのところにある、アブヘイン礼拝堂の絵に出てきそうな遺跡に到達したら、ハイ・アイル巡りの旅は完了だ。少し立ち止まって、ここにかかっている力強い男爵提督の橋を眺めていこう。巧妙に重さの釣り合いを取ることで、伸びた橋の中央部を上昇させ、最大の船舶でも下を通れるようになっている。

最後に、ご褒美としてゴンファローネ湾の素晴らしい食事とショッピングで楽しむことを忘れないように。また、名所の一部を見逃しても心配はいらない。シストレスを一度訪問したら、再び呼び戻されるのは時間の問題だからだ!

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