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書籍

ヴェヤの個人的メモ(パート1)

モロウウィンドを後にした

初めて孤独になった。孤独を感じたことは前にもあったが、今感じているのは息が詰まるほど重苦しい感覚だ。重苦しさが考えにまとわりつく。判断力が鈍っている。

あたしは怒っているの? 悲しんでいる? ほっとしている? 新しいスタートになると、師のナリューは請け合ってくれた。カジートがあたしの面倒を見る。モラグ・トングとはまったく異なる方法だが、訓練を続けてくれる。過去はきれいに拭い去られる。

でも、これはあたしの望んだことなの? あたしができることとできないことを、別の人に教えてもらう? 自分の過去を忘れ、家族の行動によって感じた苦痛を忘れる? あたしがこうなったのはそのためなのに。その痛みは今のあたしを形作っている。

すべて忘れてモロウウィンドに置いてくることが、本当にできるの?

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