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書籍

ウシェナトのメモ

これまでのところ、冷気を利用して、トリニマクの神聖なる光の道へ人々を向けさせる方法には満足している。
グラグズと彼の火による「洗礼」が、徴募のやり方としてはおぞましいと強く感じざるを得ない。
生存率はお粗末なものだった。
その上、火は人を恐慌に陥れる。
恐慌に陥った人には理屈が通じない。
真の対話に必要なのは、候補者の心に入り込み、恐怖から抜け出す道を示してやり、トリニマクの神聖なる恩寵をしっかり受け入れさせることだ。

私の方法は、手堅すぎるほどだと思う。(はは。文字どおり堅いのだ。氷を使うのだから確かにそうだ)。
私が考案した氷の構造物を使って、逃げ出されないようにして窮地に追い込むことで、不必要に恐慌へ陥れることなく苦痛と安心の両方を与える。
さらに特典として、軽めの(といっても私から見てだが)苦痛を終わらせる選択肢を徴募兵に与えるのは、自分で言うのも何だが、卓越した案だ。
忘れずにヘンガートにメモを送り、スイッチと氷の台のデザインへの感謝を伝えよう。

この手法の最新版は、これまでになく効果的なようだ。
少なくとも、一定水準の楽しみをもたらす。
2人の候補者を同時に氷の台に置き、両者にスイッチを渡した。
そしてここからが非凡なところだ!
どちらのスイッチにも相手を解放させられるのだ!
だから、どちらかが相手を生かすために自らの命を犠牲にする?
そして生き残った方はどうなる?
生き残った方の罪はトリニマクの光への道を開くだろう。
生き残った方は、トリニマクを十二分に余すところなく受け入れるだろう。
相手を死なせてしまったことを受け入れられないからだ。
その心と魂は、完全にヴォシュ・ラク、そしてトリニマクのものになるだろう。

この対決させる手法は、正直言って少し時間を食うが、台が崩れ始めたとき、どちらが先に決断するか楽しく見ていられる。
実験が進むほど、ますます楽しめる。

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