書籍

ブラックウッドの諸部族:リバーバック

ウェイレスト旅人協会、エマヌベス・フレント著

私が追放したい迷信を選べるなら、アルゴニアンの見た目や行動が全員同じという考えを追放したい。ブラック・マーシュの境界の外側にいる人々はしばしば、アルゴニアンの身体機能が固定されていて、部族ごとの違いもごく些細なものだと思い込む。大半のアルゴニアンが基本的な形態学的パターンを共有していることは事実だが、それでも差異は大きなものから小さなものまで存在する。サルパ、ナガ、ハプスリート、パートルなどの例はほんの一部である。確実に言えることは、こうした差異が各部族のヒストを取り巻く生息環境に対応していることだ。長老ナヒーシュの大半は、ヒストが「正しい皮膚を正しい時に」与えてくれると考えるに留めている。それが本当なら、リバーバック族のヒストは実に見事な仕事をしたと言える。

私の案内人である蘭を名づける者は、沼の奥地へ私を連れて行って、ナカ・デシュ、もしくはリバーバックというあまり知られていない部族に会わせてくれた。川の民に会えるほどブラック・マーシュの奥に行くインペリアルは少なく、ナカ・デシュはヒストの根の境界から外に出ることにほとんど意義を見出さない。そのため、大半の者は彼らを秘密主義で神秘的な部族とみなしている。リバーバックは際限なき歓待の精神を持っているため、この誤解は余計に愉快である。

私たちはリバーバックの領域へ渡し舟で近づいた。遠征隊はほとんど一瞬で部族の哨戒兵に出くわした。哨戒兵たちは亀かワニのように水上を漂っていた。彼らの顔の幅広さや目の大きさ、そして前腕と喉元についた水かきには驚かされた。ヒストがこの地域民に「正しい皮膚」を与えたのは明らかだ。リバーバックの領域は地面よりも水が多く、沈んだ沼地は小さな筏やカヌーで移動するしかない。

蘭を名づける者は低い鳴き声で哨戒兵に挨拶をした。彼らは元気よくその音を繰り返し、私たちの船に乗り込んできた。哨戒兵たちの誰もシロディール語はできないらしく、案内人に通訳してもらなければならなかった。彼女によると、リバーバックは通行許可を与える前に、謎かけの貢物を要求しているということだった。この要求に脅迫の匂いは感じ取れなかった。命令というより、誘い掛けのようだった。私に言葉遊びの才能はないが、インペリアルならほとんど誰でも知っているドアノブに関する子供の謎かけを教えた。蘭を名づける者がそれを翻訳すると、すぐに2人の哨戒兵は拍手をした。1人が自分の額を私の額に押しつけて2度鳴き、その後2人は現れた時と同じく突然、水中に消えていった。

私たちはリバーバックと共に4日間過ごした。1日を除いては、ずっと筏に乗って釣りをしていた。リバーバックの釣りは伝統的な釣りと名前しか似ていない。ナカ・デシュは釣り針と糸ではなく、オシージャ・ガースという大きな川魚を使う。オシージャは1匹ごとに変わった引き具と紐で繋ぎ止められている。魚の大量にいる場所を見つけると、アルゴニアンたちはこの捕食者を解き放ち、魚を捕まえさせる。オシェージャが魚をくわえるや否や、アルゴニアンはこのペットを船の脇に引き寄せ、魚を取り上げるのである。私は蘭を名づける者にどういう仕組みなのかと聞いた。どうやら、紐は魚を飲み込むのを防ぐらしい。しかし、オシージャはちゃんと世話されていると彼女は請け合った。もちろん、それはオシージャが年老いるまでの話で、そうなったらやはりこの魚も食べられてしまう。

リバーバックと過ごした時間の中で、苛立つことがないではなかった。私が出会ったアルゴニアンたちの中で、ナカ・デシュは圧倒的に好奇心を欠いていた。謎かけを除けば、彼らは私たちが持ち込むものに全く興味を示さなかった。私たちの食事は拒絶し、私たちの物語には特別関心を持たず、私たちの名前すら聞かなかった。この無関心と、彼らの際限なき歓待が合わさって、遠征隊の大半は居心地の悪い思いをした。蘭を名づける者は、親切に返礼が必要だと思うのがおかしい、と私たちをたしなめた。いつものことながら、こうした小さな失望もまた貴重な教訓を与えてくれるのである。

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