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書籍

トレジャーハンターの日記

降霜の月3日

騙されたあげく、道に迷ってしまった!
ここには財宝もなければ、金の山もない。
歯車の歯とバネ、シューッと音をたてるパイプがあるだけだ。
私はなんて愚かだったんだ!
だが絶望してはいられない。
ここにも、なにか価値のある物があるはずだ。
隠された何かが。
私は見つけよう。
今引き返すには、あまりにも働き過ぎた。

降霜の月4日

本を発見した。
あの機械グモがどれくらいうろついてるのか、全く見当もつかない。
文字は小さく、汚れている。
だが何かを建てる計画のようだ。
何か巨大なものを。
それが何であれ、ここのどこかにあるはずだ。
そうに違いない!

降霜の月6日

ステンダールの慈愛にかけて、奴らがたくさんいる。
あの巨大な歩行機械が。
幸運なことに、彼らはガチャガチャ、ドスンと小さな丸石の上のワゴンホイールよりも大きな音をさせてくれる。

奴らは私がここにいるとわかってる。
巡回が頻繁になって来てる。。
奴らは何かを護るためにここにいる。
なんという幸運だ!
価値のない物を守る奴はどこにもいない。
まだ財産を成せるかもしれない!

降霜の月8日

奴に発見された。
八大神にかけて、巨大だ!
全てを聞いている。
紙の上に羽ペンを走らせる音まで!
私はここから決して生きて出られないだろう。
マーラよ、ご加護を!

もしこれを読む者がいたら、これ以上進むのはやめろ。
奴は眠らせておけ、奴を起こしてはならない。

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