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書籍

ウィーピング・スカーを抜けて

ユーラクシアの部隊はリンメンの支配を日に日に強めている。遠からず、カジートは忌々しい女王の許可なく呼吸もできなくなるだろう。我々はこの荷物を街の外に密輸したことで、注意を引きすぎてしまった。誰かに止められる前に、ステッチズに到着したい。

* * *
最短ルートがウィーピング・スカーを抜ける道だということで合意した。この者は曲がりくねった穴だらけの場所を荷馬車で通るのは好まないが、従うつもりだ。

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道は狭く険しい。荷馬車が足掛かりを失って岩の傾斜を滑り落ちた時の事故を防ぐため、間隔を空けておかなければ。ウィーピング・スカーは距離こそ短いが、早く通れない気がしてきた。少なくとも、忌々しい女王の監視の目からは遠く離れているが。

* * *
ここは静かすぎる。ギザギザの岩や尖った植物の隙間から、乾いた空気が立てる唸るような音しか聞こえない。ネズミのカサカサいう音も、鳥の鳴き声もしない。隊商では食料に困らないのが救いだが。

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嫌な予感がする。何かに見られているような。忌々しい女王の密偵がやはり追ってきていたのかもしれない。追跡に備えて数人を後ろに残し、痕跡を隠させよう。

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