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書籍

ヴァルドヴァークの実験

テルヴァンニの魔術師、賢者ヴァーケネル著

何をやったんだ?

簡単な実験のはずだった。ヴァーデンフェルに持ち込まれたまったく新しい動物の変異。それで何を創り出した? 今まででおそらく初めて失敗すれば、よかったと思った。テルヴァンニの魔術師としては失格かもしれないが。

創造物は即座に破壊すると決めた。そう、元から悪であるとか、危険だとか、一般的な後悔する実験について回る性質はなかった。だがその不自然な形、突き出た頭、鱗と毛皮の融合で私を悩ませた。破壊しなければならないのはわかっていた。

強い好奇心が破滅の元になった。心ではやったことを元通りにしようと決めていたのだが、少なくとも最も基本的な試験をする前に実験を終わらせることはできなかった。葛藤している最中に、可愛く幼い娘が毎日のお菓子をねだりに研究室へ入ってきた。

この生物がどうやって娘を取り込んだのかはまったくわからないが、娘は即座に虜となった。その気味悪いものを腕に抱くと、喉を鳴らしはじめた。吐き気を催す舌が鼻先から伸びて娘の腕をこすり、娘は恐怖で叫ぶ代わりに、ただ笑って言った。「ねえ、お父さん、なんて可愛い動物なの! 何ていう名前か知らないけど」

私は名前を考えるしかなかった。娘はそれをペットにしたがり、私は可愛い赤い瞳を否定できなかった。だがこの恐ろしいものに、家族を用意するというお願いに同意することは拒否した。こんな生物は世界に一匹いるだけで充分に恐ろしい。少なくとも不死にはしなかった。

マスター・スケーリー・テイルの死で彼の種族は終わりになる。それを覚えておいてほしい。愛するヴァーデンフェルがこの生物に蹂躙されることを決して許しはしない。このひどく吐き気がする… 可愛い生き物に。

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