スポンサーリンク
書籍

ミノタウロスの真実

帝国の遺物研究者、ティロニウス・リオレ著

自らを貶めた賢者、ノヌス・カプレニウスの馬鹿げた戯言は既に読まれたに違いない。その名を非難することは少しも楽しいものではない。カプレニウスはかつて野獣学に精通し、学者の中でも傑出した存在だった。悲しいかな、彼の牛男とその怪しげな起源に対する執着があまりにも強く、仲間にとって耐え難いものとなってしまった。この件を明らかにし、今回限りで片を付けさせてほしい。

カプレニウスは明らかに一種の躁病の最中で、ミノタウロスはアレッシアと伝説的な配偶者である牛男、モリハウスの子孫だと主張した。異端である以上に、この主張には歴史的事実の裏付けがない。アレッシアの息子の牛人間、ベルハルザの運命は良く知られている。当時の無数の学者が(遠回しに)記録したのだ。彼はエルフの槍先にかかってその生涯を終えた。確かなのはその程度だ。身体的特徴に共通点があるからといって、奴隷の女王と牛頭の野蛮人の粗野な血を結びつけるのは、人とグアルを二足歩行だからといって繋げるくらいに意味をなさない。

事実を言えば、ミノタウロスは呪文か錬金術のプロセスが失敗した苦い結果だ。そこには大いなる陰謀も、ひたむきに守られた秘密もなく、ただ不幸で恐ろしい事故があるばかりだ。実際、牛属の獣を見て、アカトシュの誇り高き遺産がその獣の血に流れているとわかる者がいるだろうか? これは神経症を患った心の妄言で、そのように取り扱うべきだ。

私の助言を聞き、ミノタウロスに会ってもその高貴な血について尋ねることのないように。遭遇して生き残りたければ、殺すか逃げるかだ。

コメント

スポンサーリンク