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書籍

クランのスポーツ

ヴォシュ・ボールは、オーシマーの最初期にまでさかのぼる長く伝説的な歴史がある。
オーク達が集まってクランが生まれた頃、「勇気」のボールの概念が発展させられた。
当初はスポーツや余暇の娯楽ではなく、クランの戦士の勇気と回復力を試すテストとして始まった。

ヴォシュ・ボールの最初期の形は、オークの頭部大の木や金属で作った重い球体を使った。
白羽の矢を立てられた見習いの戦士が、中庭から1歩外れた最も奥に立つ。
その見つめる先には、両手にヴォシュ・ボールを持った古参兵の隊列がある。
古参兵達は、交代でヴォシュ・ボールをあらん限りの力で投げつける。一斉攻撃が下火になったとき、もしも見習いがまだ立っていられたら、勇気を証明したことになり、戦士としてより高い地位に昇格する。

年月が流れ、このテストは、組織化されたスポーツになり、クラン間で名誉と表彰のためにチームで競った。
ボールは重い金属に代わって重い革になり、ルールや規則が体系化され、参加クランのあいだで承認された。

現在のクランの集まりでは、必ずヴォシュ・ボールの競技会で数日間、白熱した戦いを繰り広げる。
ファルン・クランは現在連勝記録を保持しており、7連勝で他を大きく引き離している。
ファルンの最優秀選手賞であるバズラグ族長は、「骨壊し」と自称する、迫力満点のえげつない球を投げる。

ヴォシュ・ボールのルールは絶えず変更されているが、根底のルールは不変だ。
オーク6名でチームを作って対戦する。
吊るした3個のヴォシュ・ボールで武装し、重いボールを力いっぱい投げつけて対戦相手を気絶させ、囲んだコートの制圧を競う。
その上、オークの誰ひとりとして矛盾や混乱を見つけられないルールと規則が多数ある。
問題ない。
栄えあるヴォシュ・ボールの試合を目にしたものは誰でも、興奮状態に陥って息をのみ、勇気という言葉の定義を改める。

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