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書籍

アルド・マラクの包囲

攻城の名手、ゲルミア・デメトリウス著

レマン王朝の領土拡大戦争中、帝国軍は大小問わず数えきれないほどの要塞に攻城を仕掛けた。ほとんどの場合、無慈悲な砲撃が迅速な降伏につながった。帝国軍の卓越した掘削と攻城技術、そしてアカヴィリの火の魔法と錬金術の見事な腕。その組み合わせは破竹の勢いだった。それでも、帝国と同等と自惚れる敵も中にはいた。ダークエルフの偽神、虚言のヴィベクはそんな敵だった。

数ヶ月の戦闘の末、レマンII世の軍はダークエルフを領地の奥深くへ退却させた。とうとうエルフたちはアルド・マラクの古い要塞に腰を据えた。確かに立派な要塞で、高く頑丈な壁と進入を阻む深い水のため、歩兵による攻撃はほぼ不可能だった。
トリビュナルを信仰する者たちは壁の内側に力を結集し、彼らの神の到着を待ちわびた。しかしヴィベクはやってこなかった。愚かな密偵の助言を受け、彼は別の場所、アルド・イウヴァルの近くの防衛についていた。そこは遠すぎて、攻撃に介入できなかった。

帝国軍は信仰と狂信の力をよく知っていた。背後の神に支えられたモロウウィンド軍との戦闘は愚かだった。長い攻城戦を戦う代わりに、帝国軍は大胆な計画を作り上げた。夜のとばりに紛れ、秘術師たちが水中呼吸の呪文を全軍に唱えたのだ。この魔法のおかげで重装備の軍隊がコロナティ湖を行軍した。遂に彼らは復讐に燃える幽霊のように姿を現し、警備の軽い門を突き抜け、乾いた焚き付けの束のように砦を燃やした。

おわかりのように、創造力と勇気は、破城槌やトレビュシェットと同様に攻城戦に役立つ。兵士よ、狐のように狡猾であれ。きっと役に立つ。

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