変化する運命の砂

ホーリンズ・スタンドはどれだけ長い年月が経っても、君を忘れないだろう。私も忘れないよ

公の場でもう一度ビジネスができるのは嬉しいよ。ぜひ話して

みんなやっと落ち着ける。あなたさえよかったら、私達に加わりなさいよ

以前の介入には感謝してる、だがきっとこの奪還は、お前の助けがなくても成功できたと思う

随分長いこと砂漠が続くのを見たわ。ルニドと一緒でもそうでなくても、森へ帰るのが待ち切れない

皆、あなたにとても感謝してる。この恩は返しきれるものじゃない。特に、私はね。あなたのこれからの健康と成功を神に祈るわ

今被っている不名誉など、娘を無事に取り戻した喜びで忘れてしまいそうだ。本当にありがとう

彼らがあなたをこの街に連れて来た時、神は私の家族に微笑んだ。あなたの行く道が、今より容易なものになるといいわね！

ホーリンズ・スタンドは素晴らしい街だ。上質な石細工と深い歴史がいっぱいだ。常に自由であるべきだな

ごめんなさい、でも話す時間が無いの

フクロウの父があなたの道筋を導かんことを友よ

あっちへ行け！ 忙しいのが分からないのか？

ここはヨクダ伝統の館だ。〈蔵書庫〉と呼ぶ者もいるが、それ以上だよ

ここでは古代ヨクダの思想が息づいていて、碧落の岸を越えて静かに語りかけてくる。音楽、詩、哲学… ここでは全てが見つかるんだ

我が父の頭にかけて！ 異端者やペテン師とつるむ残念な連中め。学者のふりをしてるが、でたらめもいいとこだ。あいつらにとって本はただの戦利品で、本棚はと言えば、狩人が獲物の首を掛ける壁と同じ扱いなんだ

恥ずべきことだよ

我々にとって、これらの本は血肉に等しきものだ。その一冊一冊が皆の、教養という名のタペストリーを織り成す美しい糸なんだ

ここでは無駄な雑学にかかずらうことは決してない。ドゥエマーの機械の説明書もない。この場所は比類なく、そして純粋にレッドガードの場所だ

隠し扉や秘密の部屋を探すなら、他の場所を当たるといい。うちは宝の地図は扱わないのでね

それともこの地の歴史に興味があるのか？ ならば喜んで話させてもらおう

この街の歴史は… 実に複雑だ。何度もそのあるじを変えている。ブレトンの墓はレッドガードの墓の上に建てられ、オークが切り出した石材がヨクダ様式の壁を支えている、といった具合にな

であるとしても、街の心髄はレッドガードにある。我らが成した最も偉大な勝利の一つは、ここでのものだ

この地はデリク・ホーリンが巨大ゴブリン〈石拳のマーグズール〉と最後に対峙した場所だ

ラ・ガーダのハンマーフェルへの長征の後、ヨクダの民は比較的平和で満たされた時代が訪れたことに気付いた。多くが、本当に多くの者が剣を捨てた

そうだ。だが農耕と建築を愛するあまり、その目には危険が見えていなかった。強力な戦士長マーグズール率いる牙ある者の軍団が襲って来たのだ。だが、民は既に剣の使い方を忘れてしまっていた。ただ無防備に立ち尽くすだけだった

留まれば死あるのみだと悟り、知恵と力を兼ね備えたある戦士が、皆を逃がしてたった一人で街を守る道を選んだ。その者の名はホーリン。最後のアンセイだ

死せるアンセイの魂が彼を助けたと言う者もいる。あるいはそうかもしれん

彼は17日もの間血みどろになって戦い続け、最後には恐るべきマーグズールとの一騎打ちとなった

いつ果てるとも知れぬ長い時が過ぎ、ゴブリンが彼に致命傷を与えた。だが、ホーリンもまた、倒れながらもついに敵に止めを刺したのだ。見事な死に様だ。あらゆるレッドガードが同様の死を切望するだろうな

そうだ。彼の犠牲は今も記憶に残っている。その偉大な勇気に敬意を表し、かつてはオジュワンブの名が冠されていた街は、ホーリンズ・スタンドと改められた

おお、ホーリンの物語は何度話しても血がたぎる