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書籍

サラス・エン探検隊

レディ・クラリス・ローレント著

ハンマーフェル沿岸、シラ岬にあるサラス・エンというエルフの遺跡が今まできちんと探索や研究をされていないのは奇妙なことです。十中八九それは迷信深い地元の人々が、他文化の墓地であっても過度の敬意を抱いているからでしょう。アリクルのレッドガードを臆病だと責めるわけではありません。でも私の部下たちをハイロックから湾にまで連れてこなければならないのはあんまりです。

いずれにしても、もう始めているからには仕事はきちんとします。サラス・エンについてわかっていることはわずかですが、過去三つの時代に渡った文化の遺物が残っているというのは魅力的です。最も上にある遺物はつまり最も新しいもの、第一紀にラ・ガーダ後期の王家がサラス・エンを占領した時に遡るレッドガードの遺物です。失われたヨクダのヤスの島から来た開拓者、そのレッドガードたちはそれまでそこに暮らしていたエルフたちを立ち退かせたようです。そしてそのヤスの子孫たちは23世紀半ばまでサラス・エンに暮らしました。これはスラシアの疫病の惨禍の時期と重なります。

ヤスのレッドガードたちが追い出したエルフたちは伝承によれば、それより少し前にやってきていたアルトマーの開拓者でした。彼らはデイドラの崇拝者だったと言われるコレラニア・クランです。(だからサマーセットから寂しいハンマーフェル沿岸に移住したと考えられます) 彼らは第一紀6世紀のある時期にやって来たと考えられます。そして元々アイレイドが建てた建築物を拡大しながら居住していたのでしょう。ボズマーの遺物が伝統的なアルトマー最盛期のものに混ざっています。これはコレラニアがその歴史的な最盛期にウッドエルフの沿岸貿易に加わっていたか、あるいはコレラニアが来る前のサラス・エンがボズマーの商人たちに中継地として使われていたことを示しています。

ハイエルフによる増築部分の下は、それ以後に建てられたどの建築物よりも状態がいいのです。これはアイレイドの石造建築で、千年の時を経てなお誇らしげに天にそびえています。サラス・エンを築いたアイレイドエルフは、歴史上はほとんど知られていません。私がこの遠征隊を組織した主な目的は彼らについて明らかにすることです。厳選した経験豊かな発掘者たちの助力もあります。サラス・エンの石は秘密を明かしてくれるはずです。

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