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書籍

ファクトタムの謎

クロックワークの使徒、見習いザノン著

クロックワークの使徒の間に、ファクトタムの領域における学問的な興味が存在しないことについて熟考しなければならない。これほどまでに我々の生活の一部となっている機械だというのに、顧みる者がほとんどいないからだ。そのことに焦点をあてた講義はほとんどなく、本もほとんど書かれていない。我々の毎日の作業にとって非常に重要な機械は、なぜこのように黙殺されているのだろうか?

ファクトタムは必要に迫られた発明だ。真鍮の召使いはセト卿によって、彼の偉大な創造物であるクロックワーク・シティを維持するために作られた。修理ファクトタムは工場や機能を稼動させ続けてくれる。衛兵ファクトタムは我らが神の最も危険な秘密の場所を守ってくれる。彼らの金属の手によって家は清潔に保たれ、食べ物が供され、街に音楽が流されている。だが、こんなにも近くで働いているファクトタムについて、我々はどこまで分かっているだろうか?

答えはファクトタムの謎の特性の中にある。我々の教義が謎、謎の重要性、その傑出した点について語っているにも関わらず、彼らは未だに我々が解き明かそうとしている何かなのだ。何度も繰り返し再現できる製法、理論、回答。クロックワークの使徒は研究の分野でそれを追い求める。であれば何故、誰も発見していないものを革新しようとしないのか?

分かっているのは、ファクトタムが共通した姿、声、目的意識を持っていることだ。彼らには構造化された知能があり、時にそれは単一の機能に集中している。対話と行動は全てこの機能に基づいていて、クロックワーク神への信仰心だけを共通した特徴にしている。この目標から逸脱させようという試みは、彼らには全く理解できない。

ファクトタムに対する詳細な研究は絶えず反対されている。創造する場所は厳重に守られている。自分自身について与えられる情報量について、機能は厳しく限定されている。どんな魔法、あるいは機械が創造に入り込んでいるのか、我々には分からない。そして、だからこそ彼らに対するさらなる研究が必要なのだ!

恐らく最も不可解な、セト卿の創造の秘密について掘り下げたい。研究の焦点は構造、機能、この外見的には単純な機械の真の目的に置かれる。クロックワーク・シティの全てにおける、恐らくは最大の謎がどのようなものか、私は必ず知識を獲得するつもりだ。

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