どんなオークも恨みの概念を理解している。
オークの心に、血や戦闘やヴォシュ・ボールに劣らず根づいている。
だが、おそらくロスガー全土の中でも恨みが格別な意味を持っているのは、怨みの岩の滝として知られる場所だ。
ジョーマグとトーカグが、2人のとっておきのエチャテレをつがわせて生まれた子供の所有権を巡っていさかいを起こし、名もない高原の頂きで会って解決した時、岩肌の絶壁に滝は流れていなかった。
だが、2人が戦闘中に出会ったとき、遺恨を巡る争いが一昼夜続いた。
2日目の朝、ジョーマグの斧と剣がトーカグの槌とぶつかり合った結果、金属同士の衝撃音が岩を震わせ、大きく切り裂き、そこからものすごい勢いで水がどっとあふれ出た。
今も流れている。
それが真実か伝説かは定かではないが。
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