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書籍

カトー・アルバスの日記

喪失はよく知っている。悲しみの苦痛は薄れていくと思っていた。両親を失った悲しみは薄れた。兄弟や、その子供たちを失った悲しみは薄れた。だが、カエシリウスを失った悲しみは薄れない。私を切り裂く。引き裂く。かつて私だったもの、私だった存在は、息子の死によってできた穴で破壊されてしまった。

何週間も食事ができなかった。ほとんど眠れなかったが、それ以上に話ができなかった。時の流れはあまりにも早く、そして遅く、私は全てを見失っていた。だが今、怒りの中に自分を見つけた。怒りが私の主人であり、報復がコンパスだ。二度と迷うものか。

処刑した兵士たちは死ぬ必要がなかった。死んで当然ではなかった。だが私のカエシリウスだってそうだ。

私の痛みと悲しみを経験しなければ、彼らの家族が大義に賛同することはないだろう。他の者は同盟を止めて三旗戦役を終わらせる意志を盛んに口にするが、それでは足りない。全員が子供を失って、初めて私たちは結束できるのだ。

引き入れようとする貴族の子供を殺すのは欺瞞か? そうだ。だが、この戦争は終わらせねばならない。カエシリウスの名において、私はこれを行う。カエシリウスの名誉のために行う。カエシリウスのために行う。

哀れな我が子。あの子は戦争を終わらせたかっただけだ。戦争を終わらせに行ったのだ。

まあ、支援者はあと少しいればいい。他の貴族たちが私の大義に賛同したらすぐ、カエシリウスが望んだことをする。あの子の仕事を引き継ぐ。この戦争の終結を見届ける。戦争は終わる。そのために何人の兵士を埋葬することになろうが、知ったことではない。

平和な道を試みた。我が家族は平和のために戦った。だがこれからは、血の中で平和を作り出す。刃向かう者は全て死ぬことになる。死の早さは、その結末ほど重要ではない。そして同盟中の兵士が全て死んだら、私たちはカエシリウスが夢見た世界を知ることになる。その時、ようやく終わりが訪れるのだ。

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