バーン・ダルの宝石

やあ、イケてる友よ

いや、自分で飛び下りたのさ

ちょっと唐突なのはわかっているが、少し金を稼ぐつもりはないか？ ここリンメンの〈シュガーボウル〉で会おう。仕事があるんだ。あんたも興味があるかもしれない

じゃあな！

ジャカーン！ 戻れ、この卑怯者！

へなちょこ！ ひょろひょろ！ 耳を切り取ってやる！ チョキ、チョキ！

おい！ やせたブレトンが来なかったか？ アカンに答えろ！

質問に答えなければ、お前のその喉をむしり取ってやる

さあ、この者はもう一度だけ尋ねる。この建物から、痩せたブレトンが逃げ去っていくのを見たか？ 見ていないか？

よう、イケてる友よ。アカンとエルジャンに振り回されていないといいが。2人とも街の衛兵に追われる身だ。こんな立派な場所には来ないだろう

さて、大金を稼ぐ用意はいいか？

仕事は簡単だ。リンメンの下水道に入って、クラヴィカス・ヴァイルの祭壇近くに隠された樽を見つけてほしい

蓋の裏にトゥヘイバの居場所が書かれたメモがあるはずだ。彼女は、ここエルスウェアに君臨する犯罪者たちのボスだ。大物だぞ

話をしてくれ！ いつもなら俺が持ち前の魅力で交渉するんだが、トゥヘイバと俺はあまりいい関係じゃない。そこをうまく収めてもらいたいんだ

ほら、あいつは俺の友達を捕まえてるだろ？ フェズスカーだ。金額さえ折り合えば、きっと解放してくれる

そんなロマンチックな話じゃない！ 貴重な情報を得る手付金と考えてくれ。いいか。トゥヘイバはバーン・ダルの宝石という宝を盗ませるため、フェズと俺を雇った。フェズはそれを隠しちまって、どこにあるか教えてくれなかった

俺たちはフェズを手に入れ、宝石を手に入れる。簡単な話だ

落ちたんじゃない、飛び下りたんだ。だが、確かに説明の必要はあるな

あんたが路地で会ったアカンとエルジャンは、トゥヘイバの手下だ。で、フェズが宝石を隠した場所を俺が知っていると考えた。だから俺を縛り上げて痛めつけたんだ

そうだ。時間の無駄だって伝えようとはしたんだが、悪党ってのがどういう連中かは知ってるだろう？

とにかく、ひょろっとしたエルジャンは、上品に言えば… ちょいと度を超えた砂糖好きだったわけだ。俺のポケットにはあんたと同じようにムーンシュガーが入っていた。で、奴がそれを見つけたんだ

奴は大興奮だ。壁を登りたがるガキみたいにな！ で、文字通り登ったんだ。猫みたいに

アカンがエルジャンを天井から引き剥がしている間に、俺は拘束を解いて窓の外へ出た。聖蚕の僧侶の脇を、こっそり通るくらい簡単にな

拳大のオパールだ。あんなものは見たことがない

残念ながら、そいつには宗教的な意味がある。それがいつも話を複雑にするんだ。その宝石はトリックスターの神、バーン・ダルに捧げられている。エルスウェアのスリのほとんど全員が信仰している神だ

実は、トゥヘイバは盗み返すために俺たちを雇ったんだ

リンメンが征服された時、ユーラクシアの兵がそいつを奪った。それで俺たちは、エルスウェアの虐げられた盗賊と追い剥ぎの手助けをしていただけなんだ。英雄的だろう？

宝石の価値を知ったフェズは、トゥヘイバが約束した額の倍を要求したんだ。馬鹿なことをしたもんさ。しかもフェズは駆け引きが得意じゃなかった

状況が不利だと察して、奴は宝石を隠した。後はご想像のとおりだ

それも下水道のな。もっともな質問だ

ナルズというカジートの知り合いがいる。一緒に時を過ごしたんだ。とても短かったが、濃密な時をな。とにかくそいつはトゥヘイバの下で働いていて、内情に通じていた。それで、頼み事をした結果がこれだ

ナルズは心配していた。いつも誰かに監視されていると思っていたのさ

正直、説明はできない。付き合っていた時でさえ、放置された古い納屋やかび臭い地下室で会おうと言われた。最初はワクワクしたが、すぐに飽きたよ

俺の才能はここにいたほうが発揮できる。トゥヘイバはフェズスカーの解放に相当な額の身代金を要求するだろう。俺が逃げ出したからなおさらな

あんたが彼女のところへ行く間に、俺は必要な金を集めるよ

盗まないよ！ 博打だ。確かに、俺が博打をやるんじゃ盗むのと変わらないかもしれないが。得意だってだけさ

まあ、結果次第では大急ぎで逃げ出さないといけなくなるかもな。おそらく大丈夫だが。おそらくな

あんたが戻る頃には、フェズスカーの自由を買う金が用意できる

見知らぬ場所で、檻に入る仲間のことを思うと辛いな。自業自得かもしれないが、あれはひどすぎる。急ごう

おお、惜しかったな！ 次は頑張れ、友よ

よう、戻ったな！ ちょうど今、カジートと交渉をまとめていたところだ

メモは見つかったか？ トゥヘイバはどこにいる？

ふーん。納得だ。俺たちはリバーホールドを出たところでユーラクシアの宝物を積んだキャラバンを襲った。彼女はそこからできるだけ遠くにいたいはずだ。よし

ダークプール鉱山はエルスウェアの南西にある。トゥヘイバは荒野が好きだから、捜索には少し手間取るかもしれないぞ

言葉もないね。魅力に欠ける分は、幸運で補っているんだ

この金はフェズの解放に必要な額より多いはずだ。運ぶのはあんたに任せるよ。横取りもできるだろうが、宝石から手に入る額に比べたら、ポケットの小銭程度だ

こいつらとの清算が終わったら、鉱山に向かうよ。俺を探す必要はない。こっちが見つけるから

トゥヘイバには敬意を払え。でも一歩も引くなよ。あいつはちょっと威張るのが好きなんだ。考えすぎるな、うまくいくよ

よし、猫ちゃんたち。エドマンドおじさんの言うとおり、勝っているうちに撤収しよう。楽しい夜を過ごしてくれよ

あら、早すぎるわピンク肌。まだダイビザと遊んでない

俺も名残惜しいんだが、友人を待たせてるんだ。また明日にしないか？ 倍付けか帳消しを賭けてな

じゃあ、せめてダイビザとチャージャドに家まで送らせて。ね？ 金を持ったブレトンが、リンメンを1人で歩くなんて危険だわ

ああ… もったいない申し出、痛み入るが、本当に心配はいらない。コオロギみたいにピンピンしてる。金を持っていようがいまいがな

いい加減にして。座りなさい。馬鹿にしないで、ジャカーン

心配するな、イケてる友よ。ここは俺に任せろ。計画どおりにやれ

イカサマ師のつるつる肌め！ そいつを捕まえろ！

街中を探せ！ あの傲慢なムスカルセを見つけるのよ！

ねえ！ あなた、あのつるつる肌が逃げ出す前に喋ってたわね。奴はどこ？ ジャカーンはどこに隠れたの？

そうでしょうね。ジャカーンの親友がジャカーンの行き先を知る訳がない！ よそ者はナハテン風邪より始末が悪いわ！

あなたのイカサマ師の友達も、最後には見つけるわよ。絶対にね

あいつがドアから走り去った時、ポケットからパラパラと落ちたカード以外の話？

ダイビザはイカサマを見ればわかる。そしてエルスウェアでは、詐欺師は借りを金で返さない。指で返すのよ。忘れないことね

あなたは運がいいわ。ダイビザが狙うのは爪のないクズだけよ。お仲間のジャカーンとかね。この者の気が変わる前に、リンメンを出たほうがいいわよ

ボス！ リンメンのヤツだ！ ジャカーンといた奴だ

ジャカーン！ ジャカーンはどこだ？ 馬鹿なブレトン！ 噛みつく尻尾がない！ ない！

アカンの話は本当？ お前はブレトンのジャカーンと協力してるのか？

気をつけな。ジャカーンと組むとロクな目に遭わないよ

はっ！ 身代金？ あの裏切り者のために金を払おうなんてどこのもの好き？

ああ、当ててやろうか。フェズスカーを解放すれば、バーン・ダルの宝石のところへ連れてってくれる。ジャカーンはそう信じてるんだね。友達だから、そうだろ？ 健気だねえ！

率直だね！ 嫌いじゃないよ。こっちも率直に話そう

金を渡しな。十分な額ならフェズスカーの居場所を教える。それ以上は何も教えない。さ、取引する？ それとも、アカンとエルジャンにお前を追い払うように言おうか？

フェズスカーは宝石を諦める気がなかった。だから奴隷商人に売ったよ。その奴隷商人は死んだけど、台帳にフェズスカーの新しい主の名前があるはずだよ。ダークプール鉱山で探しな

その顔は何？ お前は情報のために金を払い、私は情報を提供した。もう行きな

ダークプール鉱山では注意しな

お前の仲間を売ってほどなく、鉱山はおかしな信者に占領された。その時に奴隷商人は死んだよ。腹を撫でてもらいたい信者たちが、マールンズの尻尾を引いてるのさ。呆れたもんだ

ああ、聞き出せなかった。それで困ってるんだよ。自分のやり方には自信があった。みんな必ず話すんだ、最終的にはね

でも何かのせいで、あいつは鼓のように口をしっかり閉じてしまった。単純な意志の力以上の何かで

取るに足らないスリが、自分の獲物を守るために何時間も厳しい拷問に耐え、奴隷にされて苦しむ？ 宝石1つだよ？ 何かがおかしい

あの宝石はお前の友人を虜にした。理由も方法もわからないけど、事実さ

知らなかった。今は知ってるけどね

だが、最終的には私が手に入れる。こういう魔法は弱い心にしか効かないんだ。私の心は弱さからはほど遠い

口の利き方に気をつけな。アカンは独り善がりの舌を引き抜くのが大好きなのさ

お前はよそ者だから何も知らない。だからそんな話し方をするんだね。バーン・ダルは賢い者に報酬を与え、不器用な者に顔をしかめる。フェズスカーには美点もあるけど、不器用だった

ほら、バーン・ダルの子供のようなことを話す

私はフェズスカーと誠実に取引をし、フェズスカーは約束を破った。あいつらしい知恵の鈍いやり方でね。あの男は不器用と不誠実のせいで奴隷になったんだ。私のせいじゃない

アカンに聞いた話だと、ジャカーンはフェズスカーが私たちを裏切ったことを知らなかったらしい。ジャカーンにとってはいい報せだね

私の宝石を返しな。そうすれば、お前の賢い友人には寛大なところを見せてやるかもね。確約はしないけど

トゥヘイバは望みを叶えたはずだ。消えろ

尻尾！ エルジャンはどこだ？ いた！ 馬鹿な尻尾！ 馬鹿め！

まだ生きていたのか。アカンは驚いた。見た目ほどやわではないな

臭い！ 油の臭いだ！ 消えろ。さもないと噛みつくぞ！

お帰り。火傷は大したことないようだね

どうしてまた来たの？ 欲しい物は手に入ったんだろ？

暗号だね。何をさせたいの？

こいつの言葉が信じられる、ビハルゴ？ ああ、まだ紹介してなかったね。ビハルゴは私のセンチの兄弟さ。私のために人を食べてくれる。ああ！ 真面目な話さ！

そのがむしゃらさは尊敬するわ。たとえ見下されたような感じがするとしても。渡して

ふーむ。フェズスカーは盗みもてんでダメだったけど、鉱山でもうまく働けてないみたいだね。タングルを本拠地にしてる別の奴隷商人に売られてるよ。タングルはルディファングっていう盗賊団が基地にしてる、茂みの中の洞窟さ

これで私たちの取引は終了だね。出て行って

忠告しとくよ。バーン・ダルの宝石には未知の力がある。願いごとはよく考えてからにしな

今回はトゥヘイバの機嫌が良くてよかったな。だが、だからと言って味方になった訳ではないぞ、よそ者。さあ行け

変な顔だな！ 向こうへ行け！ 噛みつくぞ！

見事なもんだ。犯罪組織の親玉と話しても無事とはな

さて、フェズはどこだ？ もう自由の身か？

で、結局彼女は金を受け取ったのか？ わずかな情報と引き換えに？ トゥヘイバらしいな

それで、タングルか？ 場所はわかる。あのルディファングという盗賊団は馬鹿揃いだ。フェズの救出自体は問題ないだろう。もちろん、まずあいつを見つけ出さないとならないが

俺たちのような英雄にとってか？ もちろん簡単だ！

無法者たちがストロス・エムカイにいたボーセクの子分の半分でも怠け者なら、奴らは奴隷を入口近くに置いているはずだ。出し入れが簡単だからな。つまり俺たちにとっては、救出が簡単だってことだ！

なるほど。何が知りたい？

宝石が要らなきゃフェズを見捨てるかって？ フェズと俺は数え切れないくらいお互いを裏切ってきた。でも、それは金を巡っての話だけだ。生きるか死ぬかの話になったら助け合うさ

実は、初めて会ったのも裏切りがきっかけだったんだ

両方だ。偉大な盗賊にとっては、両者に差はない

俺たちはセンチネルで出会った。地元の商船で貴重品を漁ってた時、同じことをしている猫とばったり会った。それがフェズさ。話し合いの結果、戦利品を山分けすることで合意した

奴は俺を出し抜いて出て行き、出口の見張りを呼んだ。仕事の前にその見張りに賄賂を渡していなかったら、俺は牢屋行きだったろう

見張りは代わりにフェズを捕まえ、俺たちはフェズの取り分を山分けした。それでも、敬意は忘れなかったよ

なぜかだって？ 理由はたくさんあるさ。好きなのを選んでくれ！

1つ。他の奴がそいつを手に入れるため、金の山を俺たちに払ってくれる。2つ。あれはカジートの文化財だ。文化財をあるべき場所に戻すのはいいことだろう？ 心が温かくなるし、英雄みたいな気分になれる

そうだ。タングルの盗賊はたぶんフェズをどこかの檻に入れているだろう。見つけないと

殺されていないことを祈るよ。そうなったら残念だ

それで、タングルへ行くのか？ この場所はロマンチックでいいが、フェズの救出を優先させるよな？

タングルはスカーの反対側だ。そこで会おう！

おう。この生垣の迷宮に入る前に、聞きたいことは？

侵入後は分かれよう。その方が広い範囲を探せる。離れてもあまり気にするな。俺は忠実で粋な影とでも思っていてくれ

盗賊との荒事は、あんたに任せるよ

いたぞ！ おお、これは… 独創的だ

やめろ！ 来るな！ 触るんじゃない！

何が問題かだと？ フェズスカーの足元に巨大なスパイクの罠がある！ 今にもフェズを突き刺しそうだ！

好きで入ったと思うか！ ルディファングの罠師がフェズをこの台に無理矢理乗せたんだ。奴らは新しい奴隷相手にこのゲームをする。奴隷の魂を壊し、命令を聞くよう教え込むために

フェズスカーがこの罠を踏み外したら、フェズケバブになる。フェズはフェズケバブにはなりたくない！

お前とジャカーンはフェズスカーを解放しに来たのか？ 輝く月にかけて！ 解放してくれ！

こいつを解除するには、あそこの鎖を引くんだ。だが開錠する鍵が要る。タングルの奥にある箱を探してくれ。鍵はその中だ。頼む、急いでくれ！

護衛が来るといけないから、ここで見張っておく。お前は例の鍵を探してくれ。いいな？

この箱はすぐ見つかる。ルディファングの奴ら、隠す気もなかったんだろう

急いでやってくれ。いつ守衛が来るとも限らない。それに、フェズは口下手でな

鎖の鍵を見つけてくれ。鎖を引っ張って、フェズスカーを解放するんだ。簡単だろ？

急いでくれ。フェズは死にたくない！ どうせ死ぬなら落ち着いて小便をしてからだ。ルディファングは手桶もくれなかった！

ほらな？ フェズ。友達が時間通りに来たぞ

なあ、フェズの奴は宝石の場所についてまだ黙っている。だから何だってわけじゃないが、話そうとしない

あいつは友人さ！ まあ… その場限りだが

いいか。俺みたいな奴が信頼できる相手としか友人にならないとしたら、全員が一人で飲むことになる。誰がそんなことを望む？

おい！ 鍵は見つかったか？ 緊張でフェズスカーの毛皮が抜け落ちるぞ！

バーン・ダルを称えよ！

鎖の下の錠に鍵を差し込んでくれ。カチッと音がするまで右に回すんだ。ゆっくりな！ それから、鎖を引く前に鍵を抜かないでくれ。間違えると、フェズスカーは美味しい豚のように串刺しになる！

しっかりな、友よ。俺はここにいるわ

注意しろよ。この錬鉄の古い罠はヤバい代物だ。少しでもためらうと、途端に作動する。だが心配はいらない。あんたならできる

俺はここにいるから、何かあったら言えよ

フェズは動かない。フェズは息もしない！ フェズはじっとしている

ついに自由だ！ 2人共ありがとう！ いやあ、鍵を探すのも罠を解除するのも大変だっただろう？

おねんねの時間だぞ

この、二枚舌め…

クソ。どうして見抜けなかったんだ、ジャカーン。あのコソ泥め。ガス爆弾をどこに隠していた？

もういい。考えないことにしよう

友人か。認めたくはないな。お人よしのフェズは馬鹿な競争相手ってところさ。よく言っても同業者だな

ああ。それはともかく。フェズはステッチズで育った。スカーの上の崖にある集落だ。あいつはそこに宝石を隠したかもしれない

二手に分かれよう。最後に言っておくぞ。 あの小ずるいカジートを最初に見つけた方は、もう片方が到着するまで奴を抑えておく。それから全員で宝石を探しにいく。いいな？

マーラの慈悲にかけて、だんだん猫みたいな話し方になってきた。エルスウェアに長く居すぎたよ

下がれ！ フェズスカーの宝石は誰にも渡さない！ これはフェズのものだ！

いいか、フェズ。お前は宝石のせいでおかしくなってる！ 飛ぶなんて無理だ！

嘘をつくな！ バーン・ダルが微笑んでいるんだ、ジャカーン！ 富も栄光も、すべてフェズスカーのものだ！

フェズ。クソ、やめろ！ やめるんだ！

フェズ！

ちくしょう、フェズ、馬鹿め。なぜ… 待てよ。そう遠くないか

ああ、俺ならできる。きっとな

わかるか？ バーン・ダルの宝石はあの崖の上にある。フェズが安全に保管するために選んだ場所だ

それほど遠くない。そんなにはな

確かに。だがあいつは怪我をしていた。それに俺の半分も運動神経がなかった。アカンがあいつを痛めつけた。風も良くなかった。それに、あいつはうまく飛べたことがなかった

あの宝石は俺を… 俺たちを金持ちにしてくれる。王族のように！ 裕福で、圧倒的な金持ちに。見ろ！ あと少しだ！

あんたは何もわかっていない！ レリサは喜ぶに決まっている！ そして言うんだ… 俺は… 馬鹿だって

マーラの慈悲にかけて… 俺は何をやっているんだ？ 何で崖を飛び降りようとしてる？ ああ、こいつは間違ってる

一杯やりたいぜ。お前も飲みたいよな？ 俺は飲みたい。〈ゴイターのがぶ飲み〉に来てくれ。一息つこう

心配するな。飛びはしない。落ち着いて、友に別れを告げたいだけだ

フェズ、この馬鹿猫め。寂しくなっちまうぜ

ほら見て、アカン。お前の待ち人が来たよ

よそ者にしては賢いな。アカンは気に入った。トゥヘイバを脅さないなら、仲良くしてもいい

アカンがお前は噛まなくていいと言っていた。いいだろう。砂糖を見つけたら持ってこい。さもないと噛みついてやる！

また会ったね。お仲間の姿が見えないけど。ジャカーンとフェズスカーのクズは？

本当に？ 暗き月よ。フェズは頑固で愚かだったけど、死んで当然とは思わなかった。驚くかもしれないけど、フェズスカーに死んでほしくはなかったよ。こっぴどく痛めつけたかったけど

結局、宝石に関しては私が正しかったようね

前に警告したでしょう。宝石には呪いがかかってる。いつもは伝説なんてあまり気にしないんだけどね。クランマザーの話じゃ、バーン・ダルは危険を冒す価値のない宝物もあるとカジートに教えるため、この宝石を作ったんだって

教訓が学ばれたってことね

そう、欲のせいでね

きっと若いフェズスカーに探させたのが間違いだった。相棒にあの口のうまいブレトンを送り込んだのが間違いだった

さあ、調べましょうか。こんにちは、ジャカーン

仲間と相談しな。この先どうなるかは、誰にもわからない

ふむ。どうも変な感じだ

今回は何も企んでいない。いずれにしろ、トゥヘイバとは決着を付けないとな。でないと、平穏は得られない

こいつは面倒をかけた礼だ。俺がトゥヘイバに殺されなかったら飲みに行こうぜ！ ありがとうな、イケてる友よ

着いたぞ、トゥヘイバ。話し合おうか。それとも、何か投げつけた方がいいか？

お黙り、ジャカーン。私は宝石が欲しいだけだよ。さあ、聞くのはこれが最後だからね。バーン・ダルの宝石はどこ？

案内する。猫に食わせたり、宝物庫に入れたりしないと約束すればな

ああ、約束するよ

よし、仲直りだ。乾杯しないと！ 何に乾杯する？

フェズスカーに。勇敢で愚かな奴だったよ。あのカジートらしい死に方だった

そうだな。フェズに乾杯

その背中を月が照らしますように。よくやってくれたね。盗賊の手を借りたい時があったら、また連絡しな

あいつは宝石のところへ案内することに同意した。傷つけても意味がない。恨んでも心がすさむだけだろ

それに、ジャカーンの狡猾さは評価してる。まるでバーン・ダルだ。なかなか利口だよ、ブレトンにしてはね

まだ決めてないよ。今はもうユーラクシアの手を離れたと知っただけで十分。あれだけ貴重で危険なものはカジートが持つべきだけど、他の者を崖から飛び降りさせるわけにはいかない

手を考えるよ

ステッチズでゆっくりしよう。今もリンメンのトランプ詐欺師に追われる身だ。まあ、そのうちあいつらの恨みも消えるだろう。そのうちな

今日は助かったよ。あんたはいい奴だ

仲間が魔法の宝石のせいで、崖から飛んだのを忘れるほど酔うこと以外でか？

決められないな。もう一仕事しよう。誰かの物を取るたびに気分がよくなる

そこまでは言わない。ただ、世の中はフェズがいると面白くなる。残念ながらな

裏切りのことだが、俺は慣れている。もう何とも思わない。でも、あんたが裏切るのはやめてくれよ

ああ。汚れ仕事に大金を出すボスは他にいない。まあ、他のボスを彼女が殺したからだが、それでもだ

アバーズ・ランディングに立ち寄って、ゼイラの仕事を見るのもいい。一緒にいて退屈しない

宝石が心を歪めるとわかった今では、何とも言えない

実際、フェズは後先を考えて行動する奴ではなかった。その時は断崖から宝石を投げるのがいいと思ったんだろう

邪魔をされなくなるなら、悪い話じゃない。宝石はもちろん欲しいが、呪われているのはごめんだ

頭はすっきりしたから、ロープとたくましい手があれば回収できるだろう。両方ともあるしな！

ふむ。はっきりしないんだ。楽しいとか酔っていた感じじゃない。覚えているのは、あの宝石が欲しくて、飛んでも大丈夫だと感じたことだけだ

説得してくれなかったら、フェズのようにぺしゃんこになっていた。助かったよ

何だ？ この者が喋れないと思ったのか？

ふん。よそ者め