ESO > 書籍 > グリーンシェイドの伝承
輝かしい春。大地が雨に酔いしれ、太陽がヴァレンウッドに微笑む季節。ウッドエルフは旅に出て、齢経りたストラングラー、最も古き者のねぐらを訪ねる。そこで彼らはその年も春が訪れたことをイフレに感謝し、最も古き者の枝に囲まれて、自分たちの故郷の歴史をひもとくのである。
その後、グリーンパクト・ボズマーの主宰で、春と最も古き者を祝う盛大な宴が催される。宴は夜になっても続き、エルフたちは過去の宴や巡礼の逸話を肴に美酒を飲み交わし、佳肴に舌鼓を打つ。
宴で語られる逸話は神聖なものもあれば冒涜的なものもある。
例えばある逸話では、悪名高い戦士長に率いられた軍隊が最も古き者の住処の前で進撃を止め、住処の主に尊敬の念を示すため中に入っていく。住処から出てきた彼らは武器を捨て、そのまま立ち去った。彼らは二度と戦をしなかったという。
対照的に、こんな逸話もある。とある悪戯好きなウッドエルフが、森林マンモスの糞を挽いて粉にしたものを巡礼者たちのパンチ酒に混ぜた。そのせいで宴の参加者はみな、それまで嗅いだこともないようなすさまじい悪臭を放つ放屁に悩まされるようになる。宴が続き夜が更け、臭いがいよいよ耐えがたいものになってくるにつれ、彼らはうめき声をもらしたが、やがて鼻が慣れてしまうと、うめき声は爆笑に変わり、その笑い声が森を満たしたという。
宴で語られる逸話には、この巡礼の走りとなった男女の話もある。彼らは子供のいない老夫婦で、最も古き者を我が子のように世話したという。この2人が、初代のシルヴェナールとグリーンレディになった。
巡礼が語る逸話は他にも数多くあるが、書き留められているものは少ない。興味のある向きは春に最も古き者の住処を訪れ、逸話が語られるのを自分自身の耳で聞き、齢経りたストラングラーの姿を自分の目で拝むべきだろう。
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