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書籍

血の丘の試練

歌の前の時代、クランはそれぞれうごめき、酷寒の北の地でしのぎを削った。
やがて山のように積み上げられた死者たちと、その石塚へとつながる深紅の道が雪の上に拓かれた。

秋となり、クランは講和し、牧場や放牧地や農場から遺体を回収した。
その数はあまりに多く、遺体を集め終わるまでに秋は二度巡ってきた。

死者の数を目にし、働く者のいない田畑が放置されているのを見て、シャーとトゥルの族長たちは密会した。
「互いの戦士を虐殺しあうことに栄光も名誉もない。今年頭角を現した英雄は次の年に死ぬ。我々が年老いた時に跡目を継いでくれる精悍なオークが残っているか?」と語らった。

そこで彼らはマラキャスを訪ね、エチャテレと自らの血を捧げた。
するとデイドラ公は二人に答えた

「死者の記念碑を建てて我に捧げよ。シャーとトゥルの犠牲者の石塚だ。そこで互いの軍から最も強き者を選び出せ。選ばれし者たちが石塚の頂上で決闘し、石塚が敗者の血で清められるまで続けるのだ。勝者を新たなシャー・トゥル・クランの族長とせよ」

族長たちはマラキャスの命に従った。
部族間の戦は終結し、新たなクランが生まれた。
最初の決闘が行われた地は血の丘と呼ばれた。
戦死者の死体で築かれ、決闘の敗者の血で清められたからだ。

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