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書籍

賞金首と盾

ジュリア・ルネリウスの日記

賞金首を狙って旅をする場合、行動を日記に記しておくように父から教わった。このまっさらの本を父から渡されて、ここに記すように言われた。書くのは得意じゃないが、父の希望をできるだけ尊重したいと思う。今はセンシャルにいて、行方不明者の痕跡を追っている。標的はジアン・ミコだ。複数の犯罪で指名手配され、ダガーフォールの魔術師ギルドから大事な本を盗んだ罪も含まれている。本だって? よりによって本を盗んだのか! ここは、彼が最後に目撃された場所だ。自分の勘では、カジートに紛れていれば安全だと考えたんだろう。特に、ここにはインペリアルが駐屯している。紛れ込めると踏んだはずだ。

だが、必ず見つけ出す。

2日目、センシャル

街中を歩き回った。どこに行っても、難民か不機嫌なカジートに出くわす。民兵の一種が辛うじて街を守っている。彼らは「センシャルの盾」と呼ばれている。元々は第十三軍団だったが、ここに駐屯して街の警備を担当するようになった後、センシャルの民から新たな名前で呼ばれるようになった。だが、街を統治しているわけではない。聞くところによれば、カジートが守らせたい法を執行しているだけだ。

おそらく、ミコは盾に参加している。標的を見つけるまで、自分も同じ行動を取るべきだろう。

3日目、盾

何てことだ、アルフィクがいる! どうやってこの部屋に入ってきたのか、ゴロゴロ喉が鳴る音で目が覚めた。ここの飼い猫かと思ったが、はっきりと「起きる時間だ、歩き手」と言った。どうすべきか分からない。もし相手がインペリアルなら、鼻先を殴り飛ばして部屋から追い出すところだ。だが、初めて飼った猫のマウサーに似ている。ただうなずいて、できるだけ丁寧に部屋から出ていくようお願いした。

朝食の後、ブルッシウスという男に盾のことと、入隊する方法を聞いた。彼は自分の体の痛みについての文句や、どこかの気まぐれな司祭の追跡を頼む方により関心があるようだった。しかし話題を維持して、新兵になる方法について聞いた。ありがたいことに、彼は訓練をしている場所を教えてくれた。そこへ行って、ミコを探すことにした。

4日目、お役所仕事

今日はほとんど、様々な盾の成員との会話に費やした。ミコは新兵の中にいた。訓練の責任者のところに行ってミコの過去の所業を伝え、ダガーフォールの魔術師ギルドに彼を連れ帰れば賞金がもらえることも伝えた。上官に伝える必要がある、と彼女に言われた。盾の指揮官であるレンムス将軍と会えるまで、それほど時間はかからなかった。

彼と話をして、センシャルの盾についてさらに情報が得られた。彼らは5年前、アクィラリオス皇帝の命令でここに派遣され、ナハテン風邪の被害を受けた街の秩序を取り戻すよう命じられた。センシャルを統治していた王家が途絶え、街は統治者を失っていたので、帝国は評議会の設立を助け、この地域を統治する手助けをしてきた。だがドラゴンの出現により、難民が街に押し寄せ、すでにぎりぎりだった物資がさらに不足した。彼には盾への参加を要請された。高度な訓練を受けた、優秀な戦闘員が不足しているためだろう。

もちろん光栄な申し出だったが、今は単独で旅して仕事を続けたい。

その時、将軍からミコがとても優秀な魔闘士だと言われた。本を盗んだのも、ここに来て新しい魔法でドラゴンを倒せるかもしれないと思ったからだそうだ。将軍はミコの行動を許したわけではないが、センシャルを守るためにできるだけ多くの兵隊が必要なのも事実だ。だから将軍は、ミコの引き渡しを拒否した。

最初の賞金稼ぎの仕事で、いきなり決断を迫られた。大義のために賞金をあきらめるか、あるいは将軍を説得してミコをダガーフォールに連れ戻し、裁きを受けさせるか。すでにミコと話はしている。彼は魔術師ギルドから盗んだ本から学んだ技を使って、ドラゴンと戦うことを強く望んでいる。だが、盗んだことは事実だ。なぜあの魔術師たちと一緒にドラゴンと戦わなかったのか? ドラゴンは、永遠にエルスウェア周辺で留まっているわけではない。全世界にとっての脅威だ。

これを書きながら決断した。父がこの日記を渡してくれたことは正しかった。書くことで、考えがまとまることもある。おそらく、次の賞金稼ぎはもっと楽になるだろう。次の機会のため、新しい本を手に入れよう。(ああ、これも書いておこう。本を盗まれた魔術師たちを呼び、ミコと連絡させよう。そうすれば、彼らは協力してドラゴンに立ち向かえるだろう)

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