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書籍

黒い羽ペン

口承の伝統と物語に大きく依存してきた文化のため、オークの大半はものが書けない。
伝説の語り部のラゾサは、その例外として有名だ。

吟遊詩人のラゾサは、その時代最高の語り部であることに満足しなかった。
自分の物語が後世に残ることを確実にしたかった。
そのためハイエルフの魔術師に、ハグレイヴンからむしった黒い羽に付呪するよう頼み、黒い羽ペンを作らせた。

この黒い羽ペンで書くと、どんな物語でも忘れられることはなかった。
少なくとも伝説ではそう伝わっている。
ラゾサは、この付呪した羽ペンを見習いに譲った。
こうして受け継がれていった最後の持ち主は、コールドパーチ洞窟近くで失踪した。
洞窟は、黒い羽をむしられたハグレイヴンの住みかだったのだ。

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