黒きヒレのケシュの従者にして専属補佐官、ミー・シー著
黒きヒレとして知られるケシュ将軍は、シロディールのパクト勢力の指揮をフェリシ・ヴァロというダークエルフの将軍に任せた。
そして私とヴォス・フルク、ティー・ワン、ゾシン、ダークエルフの双子レンシとメラリン、ノルドのジョドとウルフベルという少数の仲間を連れ、戦争で荒れ果てた田舎を離れてモーンホールドへ戻り、スカルド王ジョルンと最後の会合を行ったのだった。
「この奇妙な国で時を過ごすほど、山や雪が懐かしくなる」
とジョルンはダークエルフの街の謁見室に入る時に言った。
「さて、黒きヒレよ、言ってくれ」
と彼は言い、ケシュに顔を向けた。
「本当にこれでいいのか?」
ケシュは肯定の背骨を立てて言った。
「ジョルン、私はあなたとパクトのためにやると決めたことは全てやった。
ブラック・マーシュに帰って、同じことを私の民のためにやるべき時が来たのよ」
ジョルンは厳粛な面持ちでうなずいた。
「ならばもう何も聞くまい、信頼する友よ」
と彼は言った。
目に涙が光っていた。
「カイネがお前を故郷へと導かんことを。
俺の助けが必要になったら、ただそう言ってくれ」
その言葉を聞いて、ケシュの両目は空の星々のようにきらめいた。
「そう、一つ小さな問題があるの」
と彼女は言い、彼女の民の知識と経験を広げるため、ブラック・マーシュをよそ者に、特に手工業者や職人に対して開くという望みを説明した。
「触れを出そう」
ジョルンは同意した。
「で、その手工業者や職人はどこへ行けばいい?
ストームホールドか?」
「いいえ、」
ケシュは答えた。
「彼らをギデオンへ送って」
ケシュは私たちをギデオンへと導いた。
ブラック・マーシュ中央部にある帝国の拠点である。
彼女はここにより開放的で活気のある、「近代的な」アルゴニアン社会を築こうと決心していたのだ。
ケシュは旅の途中で私たちに計画を説明した。
まずは私たちがモロウウィンドとスカイリムにいる間に学び、発見したことをギデオンに持ち込み、それから古代アルゴニアン文明の秘密を再発見するための冒険を開始する。
「私は自分の文化を変えたいわけじゃない」
とケシュは誓った。
「私は文化を強化して、大昔に持っていた、失われた栄光を取り戻したいの」
故郷への旅路でケシュが説明した全てのことに皆が同意していたわけではないが、私たちは黒きヒレを信じていた。
もし彼女が頼めば、私たちはオブリビオンまでもついて行っただろう。
だから彼女が民のために抱いていた夢の実現を手伝うのは、それほど突飛なことではなかった。
私たちがブラック・マーシュの国境に近づくにつれ、シークハット・ゾルにいたただのサクスリールが頼れるアルゴニアンへ成長するこの物語も終わりを迎える。
これから先また書くかもしれないが、ギデオンに移住したら私の自由な時間は、暑い日の小さな水たまりのように蒸発すると思う。
もし、あなたが私たちの麗しき街に来ることがあれば、立ち寄って声をかけてほしい。
私たちは全ての訪問者を歓迎する。
アルゴニアンも、肌の乾いた者たちも同様に!
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