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公爵家の歴史家兼年代記編者、カエラ・メトリック著「デュフォート家の歴史」より抜粋
最後の戦いは、当時牧草地砦と呼ばれていた場所で行われた。そこはオールドストーン森にハラバント(後のデュフォート男爵一世)が築いた小さな要塞だった。戦いは夜明けに始まり、日没まで休むことなく続いた。
ハラバントの名剣レッドハートは、戦いが終わりに近づく頃には折れていた。それにもかかわらず、この偉大な戦士は刃を投げつけて恐るべき魔術師フェルボアの黒い心臓を貫き、この邪悪な敵を倒した。ハラバントは戦いで受けた傷により片手を失い、男爵位に上がるまでの間、無手のハラバントと呼ばれた。
ハラバントは自分の大剣を溶かして手を作り、それを失った手の代わりにしたと言われた。ハラバントの家臣たちの多くは彼の気が短いことと、その手によって殴られたことを証言している。何年も経った後、公爵は昔の要塞の代わりとして、西の巨大なナヴィール城を用いるようになった。城は今日も立っており、この名声高き一族にふさわしい名所となっている。
レッドハートの柄が発見されることはなかった。この小さな要塞はもう長いこと、植物が生い茂ったままの状態で立っている。ハイ・アイルを形作った出来事の、物言わぬ証人として。
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