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書籍

皆に対して情け深いファハラジャード王

ESO書籍伝記集

第一章: 立派な青年時代

ああ幸福な読者よ。センチネルの王座まで上り詰めた立派な話を始めとする、国王陛下の非常に恵まれた人生の話を、そして陛下の数えきれない長所と美点の列挙を、いかにして語ればよいのか。

ああ、敬愛する読者よ。我らが吉兆の王の家は貴族であり王族でもあるが、父はジャフルールのマカラの子孫、まさにアルアザル上級王の子孫である。同様に、母の先祖は、最も威厳ある名と功績を残したジゼーンをはじめとする、アンチフィロスの大公である。いかにもジゼーン大公に関しては、あまりにも誠実だったために、婦女の浴場に誤って入ってしまった際、直ちに自分の目をくりぬき、みだらな行為を未然に防いだという逸話が、詩人ベロウズによって伝えられている。

(アルアザル上級王については、知りたがり屋の探検家が「立派なアルアザルの偉業」の書を探している)

さて、皆に対して情け深いファハラジャード王がまだアンチフィロスの王子だった頃、ある日大公の庭で象牙の弓を使って野鳥狩りをしていると、大カラスがイチジクの木に止まったのを見た。するとファハラジャード王子は、「我はこのカラスを、オンシのまばゆい刀剣にかけて殺害せん!」と誓った。そうして王子は象牙の矢を象牙の弓につがえて放った。見よ、それはカラスの目に命中し瞬時にして死んだ。

その時、空から忌まわしいハグレイヴンが辛辣な呪いをもって落ちて来た。「そなたは我が愛情を注いだ子を殺したがゆえ、死なねばならぬ! その目を引き抜き、葡萄のように食らってやろう!」と叫びながら、若き王子を汚れたかぎ爪で脅した。そして大きな叫び声をあげながら、王子の眼球を引っかいた。

すると、天から金の光の筋が照らされ、永遠に壮大なるオンシがまるでまばゆい刀剣の上を闊歩するかのように降りてきて、「待て、悪魔の生き物よ」と叫んだ。そして、ハグレイヴンのカラスをひょうのように地面に落として打ち負かすと、彼女も同様に倒れ、神にひれ伏して情けを請い始めた。オンシは、「嘆願しても無駄だ。金切り声のうるさい女め。お前は我が特別に大事に育て守るべき運命の王子を脅かした。この貴族の青年ファハラジャードは、長年にわたる危難において人々を導く予言を与える者であるゆえ、お前は死なねばならぬ」と言って、ハグレイヴンの首をはねた。

ひどく驚いた王子は両目を覆い、もう一度見てみた時には、神もハグレイヴンもいなかった。それゆえ自分の目を疑った王子は聖堂へと急ぎ、オンシの司祭に起きたことをすべて話した。そして、司祭は王子が見たことは真実であると判断した。これが、第一の王室の予言であった。

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