ESO > 書籍 > シャドウフェンの伝承
—薄明の月4日
今度の研究プロジェクトは植物がらみだ。となれば、シャドウフェン以上におあつらえむきの場所があるだろうか? なにしろ雰囲気からして違う。肌にまとわりつくようなこの湿気が、これほどまでに緑豊かな土地を生み出すのだ。きっと研究材料にできる新種が見つかるだろう。
—蒔種の月8日
雨にはうんざりだ。もうひと月降り続いている。地面がぬかるんで、ろくすっぽ現地調査もできやしない。こんな時期にストームホールドにやってきたのは、どう考えても失敗だ。
ただ、救いもある。ギルドホールを自分好みに模様替えする時間が取れたことだ。と言っても、ひと部屋だけだが。これまで――特にダボンズ・ウォッチでの一件以来――時間や空間をなかなか自由に使えなかっただけにありがたい。監視所では、いささか思い込みが過ぎた。まあ、研究者というのは誰しも時々過ちを犯すものだ。それも仕事のうちと見るべきだろう。
—蒔種の月22日
ようやく雨があがったぞ。
—恵雨の月1日
地衣類の驚くべき新種を発見した。「ブラック・マーシュの植生辞典」の背に生えていたのだ。
—恵雨の月3日
アークメイジに手紙を書いた。配置換えを希望する内容だ。できればアリクルにでも落ち着きたい。
コメント