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書籍

センチラート: ただの騎乗動物にあらず

サハルザグ著

書記: シルザリ

謝辞: 私が以前から知的な存在であり、現在も知的な存在であることを理解しなかった全ての人へ感謝しよう。諸君のため、そして他の似たような者たちのために、私はこの冊子を作らせた。諸君には心当たりがあるだろう。仮にこれを読んだ後、私と会って分からなかったとしても言葉は残る。また、私の書記にも感謝する。私は彼女が、この冊子内に注記を留めることを許可している。

センチラートは長い間存在してきた。我々は自分自身と他の者のために、守り手の役割を長く務めてきた。筋肉質で四足の体型は、単独で戦うにも組んで戦うにも向いている。仲間と組んでいない場合、我々は大きく前に跳躍し、攻撃する意思がある者を誰であろうと、爪で引き裂き噛みつける。訓練された戦いの仲間なら(「訓練された」という部分は強調してほしいが)、我々を戦場でさらに危険な存在に変えられる。彼らが秀でているのが剣であれ、杖、魔法、弓であれ、我々と組めば戦場での機動力が大きく向上し、我々は彼らがの攻撃を利用できる。互いへの脅威に目を配っておけば、共に倒される危険が減る。

上記の内容は、戦場におけるより優れた武器や戦略を求めている、血に飢えた人々にとって魅力的なものだろう。我々の戦闘能力はよく知られている。

[書記のメモ: この者はセンチラートの戦いを見たことがある。爪と歯の嵐のようだった。このような生物を敵に回してはいけない]

しかし、センチラートを隷属させ、その意志に反して利用しようと考えている者には、私からのメッセージを授けよう。

やめておけ。

以前に試みた者もいる。多少はうまくいくように思えるかもしれない。だが我々にも手がある。本当にいくらでもある。我々には仲間もいる。それに、我々の許可と受容がなければ、我々の力を最大限に発揮させることはできない。

[書記のメモ: この尊敬すべきセンチラートは上記のことを理解している。彼らはとても賢い。しかしもちろん、この者はセンチラートの手段を明かさない]

我々は物語を通して、若者たちに戦いへの協力を拒む密かな、あるいは公然とした手段を教える。もちろん読者に明かすほど私は愚かではない。諸君が知るべきことではないのだから。

要するに、諸君が我々に何をさせるつもりであろうと、我々の賛同を得る努力をしなければ、結局は失敗する。そして諸君には、失敗の理由すら分からないかもしれない。

だから対等な存在として扱わねば、何であろうと我々を味方にできると思わないことだ。

むしろ話しかけてほしい。我々は知的生物であり、耳を傾ける価値がある。我々は話をよく聞く。

[書記のメモ: 確かに、センチラートが話す時はよく聞いたほうがいい]

さて、前置きはこの辺にしよう。これを読んだ者は、センチラートの相手をする時、我々が知的生物であり、固有の生活と経験を持っているということを理解して始めるべきだ。戦争に利用するための単なる騎乗動物やペット、怪物と考えてはならない。我々は友人にもなるし、家族もいる。また恐ろしい敵にもなる。対等の存在として話し始めよう。思考を持つあらゆる生物と同様、センチラート個人にその先のことは任せるべきだ。

これはよく話題に上るので重要なことだが、我々と協力関係にある何者かが、たまたま騎乗して我々と共に行動しているのを見た場合、その者が我々の所有者や世話人、操作者だと想定しては絶対にいけない。まずは「パートナー」と見なすべきである。

[書記のメモ: センチラートのことを考える時は「パートナー」から始めなければ、二度と考えることができなくなるかもしれない。そういう結果を見たことがある]

この短い冊子を読んで、諸君が私の言葉をきちんと理解し、全てのセンチラートに敬意をもって扱い、単なる獣や戦争の道具として扱うことのないよう願っている。諸君がそのようにせず、我々と出会った場合、私は諸君の態度を記憶し、どのように矯正すべきか考えよう。他の全てのセンチラートも同じようにするだろう。

[書記のメモ: これは本当だ。センチラートは長期におよぶ正確な記憶を持っている。センチラートが物事を忘れることを願うより、このことを知識として持っておくことをこの者は選ぶだろう。希望は確実でないし、人生にはただでさえ試練が多すぎる]

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