書籍

サロルド最大の宝

愛する娘へ

これを読んでいるなら、間違いなく私の死の知らせを受け取っているだろう。
その場合、私は友人のニコラスに、台帳を手に入れ大学にいるお前の元へ届けるよう託しておいた。
お前のうめき声がきこえるようだ。
私がお前よりもずっと魅了された謎の一つが、私からの最後の贈り物だ。

しかし、正直に言うとお前に解いてほしいのかどうかは良くわからない。
私はお前に説明したように生きて来た訳ではない。
私はアバーズ・ランディングのある女性と深い恋に落ちた。
恥ずかしながら、お前がレディ・スリマを受け入れるのかどうか不安だった。
彼女はお前の母親ではないし、代わりを務める気もない。
それでも我々はそれぞれ、失う痛みを知っている。

お前に渡せる最大の宝は、お前たち二人が家族となる未来だ。

手紙を丸めて何かに投げつけたんじゃないかと推測するが。
さて、立ち直ったところで続けてくれ。

今までにやったことを考えてくれ。
お前は台帳の謎を解き、アバーズ・ランディングに旅し、ヒューズベインの砂の土地の位置を突き止め、古い宝箱を掘り当てた。
鍵もないのに金庫を開けることに成功した。

全てがお前に私の遺言を読ませることにつながっている。
アバーズ・ランディングのレディ・スリマを探すのは問題ないはずだ。
彼女はお前の名前を知らないが、肖像画を持っていて、とても会いたがっている。
私が彼女と過ごした素晴らしい、おかしな人生を語ってくれるだろう。
それから、お前が大学を卒業したら一人立ちするために役立つちょっとした財産を持っている。
お前はなりたいものにはなんでもなれる。
私が旅立ったとしても、いつも誰かがそばにいてくれるだろう。

ただ、彼女の支えにもなってくれるよう祈るばかりだ。

愛をこめて

―S

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