ヴァレンの出陣 摂政クリビア・サルンの詩人、キャスカ隊長著 ヴァレン・アクィラリオス コロールの公爵、クヴァッチの伯爵 石の壁に囲まれた砦に座した とりまく世界を憂いながら 彼はルビーの玉座に仕えた 全身全霊をかけて 戦いの時も平穏な時も 忠誠は揺るがなかった けれど今、心は乱れている 田園地帯の黒い染みによって 玉座を手に入れた皇帝 モリカルの息子、帝国のドラゴン、レオヴィックが 土地と民を脅かしたから レオヴィックの先祖、北のリーチの民が ルビーの玉座を手中にし その民を従わせた 彼の意志と欲望と 馴染まぬやり方に レオヴィックが崇めたのは もっとも闇深きデイドラ ハーシーン、ナミラ そして誰あろう 破壊のデイドラ公メエルーンズ・デイゴン ヴァレンはこれをすべて見た 惑わされし同胞を見た 卑劣な力によって 皇帝の布告によって 闇がその地を獲得した けれど玉座に忠実な彼は レオヴィックを誠実に支援した 帝国の残酷なやり方と 彼の野蛮な信仰にも関わらず ヴァレンはアブナー・サルンに知恵を求めた 元老院で誰よりも賢き者 ルビーの玉座に仕える高官 政に鋭き目を持つクリビアの父 アブナーは言った 「そなたの忠誠は玉座のもの そなたが賞賛されるべきもの けれどもその忠誠心は 玉座に座る者にまで及ぶのか?」 高官の言葉を熟慮したヴァレンは 邪悪な習慣を目にした 自らの地にいるデイドラ公たち 彼らがそれを続けたら 民の魂は救われぬ ヴァレン・アクィラリオス コロールの公爵、クヴァッチの伯爵 城から立ち上がり 角笛を鳴らすと 民を戦へと導いた
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